1年前にお母さんをなくしたNさんは、グループホームで暮らしています。おかあさんの遺言は、Nさんが青年学級に通い続けられるようにすることでした。青年学級のあとに、Nさんはこんな詩を綴りました。
かあさんへ
ぼくはこうして今かあさんの残してくれた
たった一つの贈り物である青年学級にいます
みんな新しい世界へ旅立つために
今一生懸命に翼を整えている
僕もこんな歳になってしまったけれど
新しい世界への旅立ちのために
翼を整えているところです
でも僕が飛び立つ新しい世界は
かあさんのいる
空の上かもしれません
でももうこの世界は変わろうとしています
ようやくぼくたちの世界が生まれようとしています
世の中には出生前診断というような
世界を前に戻すような寂しい流れもありますが
確実に世界は変わろうとしています
翼に身を委ねて
ぼくは新しい世界に旅立とうと思います
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