小さくとも瑠璃色の魂ここにあり Sさんの俳句 2014年8月31日
ダウン症の当事者として繰り返し出生前診断をめぐって告発を続けてきたSさんの俳句です。何度も同じテーマについて作句を続けてきて、内容も繰り返しになってきたけれど、今は、自分の思いが届くまで、俳句を作り続けると語っていました。
なぜに世は私を無視して無に走る。
技も絶え心も絶えて未来なし。
小さくとも瑠璃色の魂ここにあり。
わだかまり誰にぶつけんわが穂何時。
地域にも確実に願い届きたり。
手をとりて無我のままに問う人今度。
ずんずんと積もりたる雪ぶかぶかに。
わずかな夢断たれてなるかと立つ朝(あした)。
わびしき音ろくでもないと聞こえたり。
つらき日々過ごしたる人紅の爪。
私の手むき出すものと知りし朝。
ついに辻曲がりたる世よぬかるみに。
分を知るわれなれど許せぬわだかまり。
小さき世われらを捨てて瓦解せり。
分相応許してなるか没落を。
技は技心は心願う日々。
ランプの火誰に消せようぬいぐるみ。
わずかな夢断たれまいとて武器を取る。
人間の誇りをなぜに捨てる世は。
罠に落ち罠に気づかぬ無下に消し。
理想われ手放すことはない夜よ。
忍耐はいくらでもなすわだかまり。
分相応分に応じてわれ怒る。
小さき火ともりし日はどこ暗き世に。
わざわざに勇気ふるいて世に問いし。
理想なくし漂う世にも希望あり。
勉学は人の幸せ凡庸に。
よい知らせ届くことなく夏の行き。
人間はぬくもりだけを求めるもの。
冒険は胸躍るもの随所にあり。
ミラクルは積み上げたところで開くもの。
忍耐をなくすまで理想途絶えたり。
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2014年9月16日 10時58分
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