ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2014年09月16日(火)
Sさん、Kさん、Tさんのそれぞれの思い 2014年6月14日
 施設での虐待のニュース、繰り返し語られる出生前診断のことなど、重苦しい空気に対して、2014年6月14日、ある会で記された三人言葉です。掲載がたいへん遅くなってしまいました。

S.Uさん
 なぜみんな人生を乗り越えないままに施設にも入れられたり忍耐ばかりしなくてはいけないのでしょうか。もう少し早くわかっていたらみんな間に合ったのに残念です。私たちにも人間としての尊厳があるので人間としてがんばりたいです。


K.Fさん
誰にまだ我らを託す世ではなし。
小さき目なぜ摘み取るか濡れた顔。
人間に生まれた子どもとなぜ言わぬ。
分相応馬鹿にするなと僕は立つ。
理想などかなぐり捨てて悲しき世。
人間はわずかな希望さえあればよし。
わずかな手理解する目が我包む。
わだかまり越えてみんなでまなざそう。
ろうそくが消えてまたやみ深まれり。
技をなくし佇む前に光は無。
勇気なく理想を下ろすか我が仲間。
わだかまりなければ希望も湧くものを。
道遠し人皆生まれる時となる。
理想捨てランプも消えて我悶え。
わだかまる罪なら罪をなくすべし。
ろうそくは本気の光なくしたり。
瑠璃色を見せてあげたし生まれない子に。
和よなぜに断たれる人と結ばれる。
和は断たれ残酷な知らせ届き足り。
紫陽花を七色にする雨も散る。
罠ならば落ちぬと身に告げ五月雨に。
罠をなくし私も素直に空見上ぐ。
罠を探し小さな舟を浮かべたり。
わだかまり解かしてあたたかき雨の降る。
わだかまり忘れて私は空仰ぐ。
わずかな目ゆゆしきままに梅雨深し。。

 よい番組を見ました。ダウン症の人がテレビで検査に抗議していました。なぜか笑いを取りながらでしたがとても真剣な気持ちが伝わってきました。うちではみんな感激して見ましたがみんなには伝わったでしょうか。.



T.Eさん

    楽園よ再び

わずかな昔の希望さえ消え去った楽園は
もはや輝きを失って
わずかな未来はもう消え去ったかに見えた
勇気は体中から消え去り
ただこの体だけが自分の前に残った
呼んでも答えは返ってこずに
ただ空しさだけが残った
茫然とした耳に
かすかに昔聞いた希望の歌が聞こえてきた
未来をまた僕は取り戻せそうだ
勇気が再び体に満ちあふれ私は
もう一度楽園に森が戻っていくことを疑わなかった
2014年9月16日 11時06分 | 記事へ | コメント(0) |
| 自主G埼玉2 / 出生前診断 / 人権侵害 |
2014年02月15日(土)
風疹のこと
 ある会で、ともに盲学校の重複学級に在籍していた二十代の二人の女性が、風疹が原因で障害を持った子どもが生まれたことをめぐる最近の報道をめぐって、次のようなやりとりをしました。

Yさん
 
 気候が不順なのでぶらぶらするのも私は寒くて煩わしくなります。でも日本中が私たちをもういなくてもかまわないかのように言うのでとても悶々としています。人生をまだ十分に楽しめているわけないのでもっと理想を高く持った人たちの中で生きていきたいです。わざと私たちに向かってどうにもしょうがない人たちと言う人もいて私はとても悲しいです。人間としてなぜきちんと生きることが許されないのかとても残念です。
 わずかな希望はいい人たちががんばってくれて私たちを大事にしてくれることですがグループで私たちを排除しようとしているのが悲しいです。
 運命を受け入れるべきなのに生まれる前から生まれないほうがいいなどという人がいるからです。風疹です。私たちの仲間には風疹で目が見えなくなった人もいたから人ごとではありませんでした。
 前からダウン症の人を攻撃していましたがそれがどんどん歯止めがきかなくなってしまいました。
 願いは私たちが金輪際否定されない世の中になることですがなぜみんな逆に向かって走り出したのでしょうか。
 理解できないのは路頭に迷う可能性は誰にもあるはずなのに私たちを否定することはもう路頭に迷う人は生きる価値がないと言っているようなものなのにそのことに誰も気づいていないということです。瑠璃色の未来はもう来ないのでしょうか。
 なつかしいのは震災を悲しんでいた人たちはみんな人間だということをわかっていたのに残念です。


Mさん
 ずっと理解されたいと思っていたので、ずっとわかってもらいたいと思っていたので、せっかくわかってもらえたのだからもっと世の中の人に理解されたいです。小さいころから何もわからないと言われてつらかったけれど、最近はだいぶわかってもらえるようになってよかったけれど、まだまだですね。人間として理解されたいです。
 わずかな希望ですが、疑問はなぜ今Yさんの言ったようなことが起こるのでしょうか。
 風疹のことはつらかったです。理想はなかなかかなわないけれどいつか私たちを理解できる世の中が来ると信じて生きていきましょうね。Yさん。理解できていることが早くわかってもらいたいですね。
 ついにわかってもらえたというどんどん湧き上がる喜びを感じてからずいぶん月日が経ってしまいましたが先生も忙しくなっているようだからよかったです。期待していますからがんばってください。
 分相応の人生には早くさよならをしたいので望みは先生がもっと有名になることですがわかってもらえる人はなかなか増えませんね。
 次のドラマはたぶんろうなんなんにょ(高齢者のことをこう書きました)にも言葉があることがわかる日だと思います。分相応の人生しか与えられていない老人の人たちをわかってあげてほしいです。ずっと前から老人にも普通に意識があるということが私には感じられていたので早く先生のこのスイッチで聞いてあげてほしいです。
 未来はきっと希望に満ちていることでしょう。わざわざつらいことをYさんが書いたのでわたしは明るいことを書きました。


 二人は、盲学校出身者なので、風疹によって視覚障害になるというようなことについて耳にしたことがあったようでした。
 風疹をめぐる話は、ニュースとしては、それほど繰り返し取り上げられたものではありませんでしたが、やはり当事者にとっては、とても看過することのできない問題だったということが、多くの人が今年になってからこのことを話題にすることで明らかになりました。
2014年2月15日 23時00分 | 記事へ | コメント(0) |
| 自主グループ(視覚障害) / 人権侵害 |
2014年01月28日(火)
風疹をめぐる議論について
 風疹が原因と思われる障害のある20代の男性とご両親にお会いしました。先日、昨年風疹で障害児が生まれた障害児が31人に上るとの報道がありましたが、お母さんはこの記事をため息をつきながらご覧になったとのことでした。お母さんは、息子さんが妊娠中に風疹に感染し、障害の可能性を医師に告げられましたが、宿っている命を消したくないと考え、生むことを決断されました。そして、生まれて障害があることがわかった時、この子を幸せにしてみせると心に決めたそうです。
 息子さんには確かに「重い」と言われる障害があり、気持ちを言葉で表現したのは、この日が初めてですが、両親に感謝していること、母の決断を誇りに思うこと、母の願った通りに幸せに生きていると語りました。
 それでは、お母さんのため息は何だったのでしょうか。それは、31人のお母さんと子どもたちのことです。このお母さんのようにあえて生むことを決断した方もいるだろうし、生まれた子どもたちは豊かな可能性を秘めた一人の人間のはずでしょう。しかし、ニュースはまるでそんなことにはふれることもなく、生まれてきたのは間違いだったかのように語る。どんな思いで、この31人のお母さんは報道に接したのか、そうした思いが深いため息につながったとのことでした。
 こうした報道を見る限りにおいて、社会はこの母親たちを祝福する視点を持ち合わせていないし、この子どもたちを同じ人間として社会に招き入れようとする視点を持ち合わせているようには見えません。これに昨今の出生診断をめぐる社会の風潮を重ねれば、社会はいつのまにか障害者は生まれてこない方がよいという考えや、同じ人間としては認めていないという考えに染め上げられてしまったということが、明らかではないでしょうか。

 また、この日の翌日、町田市の障害者青年学級でも、同様の議論がありました。そこでは、ある自閉症と言われる方が、出生前診断の議論では、生まれる前の命と生まれた後の命を区別して議論しているということが言われていたけれど、風疹のことをめぐる報道で問題になっているのは生まれた命のことなのに、まったく出生前診断の時と同じように生まれてこないほうがよいというような論調なのは、実は、出生前診断の時の議論がいかに偽りだったかがわかるとの意見が出されていました。
2014年1月28日 09時03分 | 記事へ | コメント(0) |
| 人権侵害 / 自主G多摩2 / 出生前診断 |
2013年12月28日(土)
国も滅び現実のみが静かに過ぎてゆく
 心に何か憂鬱なものをかかえた表情のSさんはいきなり、こんな詩を綴りました。

国も滅び現実のみが静かに過ぎてゆく
夢にまで見た世界は遠のくばかり
私は涙も涸れ果てて一人佇む
罪を問い不徳を問うことは意味がない
どうしようもないゆゆしさのみが空しく残る


 そして、次のような説明をくわえたのです。

 つらいのは千葉の施設で虐待があってなくなった人が繰り返されるニュースを通してもだえている様子とともに伝わってきてとても憂鬱な毎日になっています。そのことを詩にしました。とても憂鬱な毎日です。死のそばでつまらぬことばかり語られて許せません。死んだ人が何も分からないから仕方ないという論調が許せません。根本が狂っています。

 たくさんの人がこのできごとを自分の問題としてとらえ、大変な憂慮をしています。
2013年12月28日 00時49分 | 記事へ | コメント(0) |
| 自主G23区2 / 人権侵害 |
私はなぜ強度行動障害が起こるかについて身をもって経験してきました。
 知的障害の特別支援学校を卒業して今年二十歳になった女性のOさんが、千葉の施設での事件について語りました。同じ立場の仲間と長い時間をともに過ごしてきただけに、思いは強いものがありました。

 誰からも嫌われる経験は人間として本当に悲しい経験なのですが理想をいくら唱えても現実は何も変わりません。しかしそれだからこそ私たちは訴えていかなくてはいけません。どうにかしてみんなふつうに理解できていることをわかってほしいです。
 敏感な人たちだからこそつらい人生を歩まなくてはならなかったので理想はろうそくに明かりがともるように私たちを受け入れる世の中になってほしいということです。
 私はなぜ強度行動障害が起こるかについて身をもって経験してきました。仲間にそういう人がたくさんいたからですがみんな小さいときはかわいいと言われてよかったのですがだんだん大きくなるにつれ人として見てくれる人以外はどうしてあなたみたいな人がいるのという言葉を投げつけられるようになりだんだん生きる希望をなくしてしまったからです。希望を失うとみんないっそうつらそうな表情になってそれがまた悪循環を生んでしまいます。
 学校にはよい先生がたくさんいましたが人間と認めてくれない先生はなかなか私たちのことがわからなくて強い口調で私たちを責めたりするので私たちもなぜそんなに言われなければならないのだろうとだんだん暗い表情になってしまったのです。
 誰が悪いなどと責めるつもりはありませんがやはりつらいのは仲間なのでこのことはぜひ訴えていきたいです。
 小さな希望かもしれませんがこうして私たちも何とか話せるようになったのですがつらいのはまだこのことが世の中に受け入れられていないことです。何とかして早く理解されないとまた犠牲者が出てしまいます。黙っているわけにはいかないので満願のものを伝えたいです。銀世界がもうここにはあるのにまだそこに入れないでいる仲間を早く救い出したいです。


 
2013年12月28日 00時22分 | 記事へ | コメント(0) |
| 人権侵害 / 自主G23区2 |
僕たちの言葉を認めないのは人権侵害の一つです
遠くから大きな声を出しながら廣瀬岳さんがやってきました。彼は、千葉の施設で起こった事件について、強い怒りをもってやってきたのでした。そして、さっそく、次のような書きました。

 なぜ仲間が亡くならなくてはならなかったかを思っていたら体中に力が入ってしまいました。
 絶対に許せないのは僕たちは何もわかっていないと思われているということです。何もわからないという思いこみがすべての根本にありますからこんなことが起こるのですがいつになったら世の中は変わるのでしょうか。世の中が変わるのを待っていたらまた犠牲者が出てしまいます。
 誰のせいで亡くなったかということは今回は問題ではありません。世の中の考えこそが仲間を殺したのです。僕たちの仲間が亡くなったというのに誰一人それを語らないのはおかしいと思ったので僕はみんなを代表して語りました。
 まだわかってもらえないのでしかたないですがもう二度とこんなことが起こらないようにするためにこれをまたインターネットで発信してください。ぜひよろしくお願いします。
 黙っているわけにはいかないのですがなぜ何もできないのかとても悔しくて夜になると悩んでいました。ようやく言えてどうにか収まりそうですが世の中をどうやったら変えられるのでしょうか。なぜ世の中はどんな人も同じように考えていると言うことに耳を貸してくれないのでしょうか。訴えても訴えても届かないのでつらいです。
 なぜ僕のような意見は認められないのでしょうか。日本中の施設から暴力がなくなってほしいのでどうにかしたいです。
 強いろうそくがほしいです。存分に議論してもらいたいです。
 ぜひ主張してください。僕たちの人権がかかっていますから。
 人権は言葉を持つ持たないには関わりはありませんが僕たちの言葉を認めないのは人権侵害の一つです。
 ぜひどこかに発表してください。よろしくお願いします。人権問題だからどうにかして乗り越えたいです。


 今回の事件で語られていない最大の問題は、亡くなった方もまた、当たり前に言葉を持ち、当たり前の考えを持っていたということに、周囲も世の中も気づいていなかったということである。「人権は言葉を持つ持たないには関わりはありませんが 僕たちの言葉を認めないのは人権侵害の一つです」と語る廣瀬さんの言葉は大変重い。廣瀬さんは重度の肢体不自由のある方だが、もちろん「僕たち」の中には、今回亡くなられたような障害の方も含まれている。
2013年12月28日 00時07分 | 記事へ | コメント(0) |
| 人権侵害 / 自主G23区2 |
2013年12月21日(土)
千葉の施設の事件について
 KさんとOさんが、千葉の施設での事件について意見を交わしました。パソコンを用いずに、意見を交わしあったあと、それぞれ、次のような文章を、きちんと伝えてほしいとのことでまとめました。
 まず、Kさんの文章です。

 ばかにされ命を落とした仲間に変わって僕は言いたい。もっと世の中が進んで僕たちはすべてを理解できていることが理解されたら僕たちは二度とああいう悲劇に巻き込まれずにすむだろう。誰が悪いという議論ばかりする前にまだみんなきちんと理解できているにもかかわらずただろうそくを灯すことができないでいることが問題なのだ。どうしても体がうまくコントロールできずにいたり勝手に体が動いたりしているという事実を世の中の人が理解しない限りこうした悲劇は繰り返されるだろう。

 次にOさんの文章です。

 人間はどうしてもその方向に行きやすいから、管理者が常に仕事場にいて虐待は許さないと言い続ける必要がある。いつも仕事場にいなくてお教育していくシステムがいると思います。虐待している人もどうしていいかわからないで困っていて助けてほしいと思うから、相談にのってあげて、こうした方がいいよと伝える役目の人が必要だと思います。教育の場にもこうした方がいいよと助言する氷魚がくるけど、そういう施設はむずかしいから助言してほしいと僕は思います。大野君はどう思っているか聞いてみてください。

 Oさんは、自分たちのような重度の肢体不自由のある者は、けっして今回のような目に合うことはないけれど、そういう処遇を受けそうなメンバーときんこんの会で会うようになって、こうした事件が前よりもいっそう自分たちの問題だと思えるようになったと語っていました。

 
2013年12月21日 20時55分 | 記事へ | コメント(0) |
| 自主G23区1 / 人権侵害 |
2013年12月18日(水)
このあいだ施設で虐待があったのを知っていますか。
 ゼミの授業を訪れたKさんが、最初に言いたいことがあるということで話を始めました。まさに今この時、語っておかなければならないということで、話をしたとのことです。

 このあいだ施設で虐待があったのを知っていますか。理想的な施設はもちろんありますがみんな何もわかっていないというのが前提なのでまだまだと言わざるをえません。とくに自閉症の人たちは誤解が激しくて理解できていないというのが前提なのでこういう事件が起こってしまいます。理解できていても自由に体が動かせないのだということを理解してもらえないといつまでもこんなことが繰り返されると思います。理想的な施設はもちろんありますがみんな何もわかっていないというのが前提なのでまだまだと言わざるをえません。とくに自閉症の人たちは誤解が激しくて理解できていないというのが前提なのでこういう事件が起こってしまいます。理解できていても自由に体が動かせないのだということを理解してもらえないといつまでもこんなことが繰り返されると思います。

 この後、彼は、私の手を使ったあかさたなの通訳でさらに続けました。この事件の背景をきちんと理解することが大事で、普通の犯罪なら犯人の過去の経歴というのが背景になるが、この事件の背景にあるのは、社会全体がまだ障害のある人もちゃんと理解ができているけれど体がうまくコントロールできていないということを知らないという背景があるのだから、この事件の責任は、社会全体にあるというようなことを述べ、強度行動障害と呼ばれるものも、もともとの障害ではなく、まちがった働きかけが生み出したものだということなどを、懸命に語りました。
2013年12月18日 14時11分 | 記事へ | コメント(0) |
| 大学 / 人権侵害 |
残酷な知らせが届いた
中学1年生の少年が、12月16日に綴った詩です。
千葉の施設の事件を受けてのことでした。

残酷な知らせが届いた
昔の仲間を
どうにもできないからといってけとばして
死なせてしまった
ぼくは言葉を失った
理解していることさえわかられぬまま
なぜ彼は死なければならなかったのだろうか

また、この詩の前に次の言葉も記しています。

気持ちが言いたいので夢みたいですが人間としてぼくたちが認められるためにはなんとかしてこの事実を伝えなくてはいけませんね。どうにかして私たちの言葉を伝えたいので人間はみんな言葉があることを伝えてほしいです。わだかまりもあるけれどみんなを許して学校を楽園にしたいです。
2013年12月18日 09時24分 | 記事へ | コメント(0) |
| 大学 / 人権侵害 |
2013年12月14日(土)
千葉の施設における若者の死亡事件について
 千葉の施設で、入所していた19歳の若者が、職員の暴力によってなくなった可能性があるとの報道がなされました。中学3年生のF君は、そのことを受けて、俳句を作ってきました。まだ、報道から2日ほどしか経っていませんが、この時期に私に会うということは、自分が他の仲間たちを代表する意味でこの事件にコメントする必要があると考えて、急遽俳句を作ってきたとのことでした。

罪のなき人のいのちがが失われ。(なぜかわからないけど仲間が亡くなりました。)
人権を取り返したきぬんぬんと。
地域から離されいのちも奪われて。
人間と見なされぬままいのち消ゆ。
よき人が豹変せるか涙落つ。
人間は力では動かせぬ。
強き意志砕きて人は泥まみれ。(人は泥にまみれた被害者です。)
ついに人いのち奪われ未来消ゆ。
人間は茫然となぜ夜にある。
ぬいぐるみ蹴られて別に泣かぬとか。
ぼんやりとわだかまりのみ野暮なこと。
私たち人間のはず喪に服す。
分相応ぼくはけして受け入れぬ。
分相応などとわからぬ声のせり。
未来より過去のわずかな不幸消せ。
未来消え理想をなくし夜深し。


 また、同じく、20代の体の大きなYさんも、次のような文章をパソコンで綴りました。彼は、自閉症と呼ばれている方で、体が大きいためちょっとした行動が危険だとみなされることもあるそうで、今回の事件のようなことが起こる背景がよくわかるとのことでした。

私の仲間がそんなふうにしてなくなってしまったけど理解できないのは暴力ではなにも解決できないことにまだわかってもらえないのかということです。分相応などと言われたくないですね。世の中を早く変えなくてはいけません。わずかに人間として見てくれるのはこうしてぼくたちにも言葉があるということを認めてもらっているからですがだからこそ早く伝えなくてはなりません。ぼくたちは当たり前の人間なのだから。よい世の中に早くなってほしいです。

 複雑な事情はもちろんわかりませんが、最大の悲劇は、みんな当たり前に理解できているということがまだ常識となっていないということです。相手が何もわからないからと思うから、そこに暴力が生まれてしまうのでしょう。
 わかっていても、うまく体をコントロールできない人たちがいるというきわめてシンプルな事実に世界が気づけば、こうした悲劇は繰り返されずにすむにちがいありません。
 私たちの伝える努力が足りないことはよくわかっていますが、どうか、耳を貸していただき、この事実から目をそむけないでいただきたいと思います。 
2013年12月14日 22時17分 | 記事へ | コメント(0) |
| 人権侵害 / 自主G埼玉1 |