ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2008年12月05日(金)
そらはきっときいてくれる わたしのきもちを
 11月30日の青年学級の日は、午後からある勉強会で青年学級について紹介することになっていたので、昼間は、ゆっくり参加できなかった。そこで、夜から居酒屋(かかし)に合流し、かかしが2回目になるF.Kさんとパソコンで話をした。

のみにこれてうれしい。いいほうほうですね。つらかったです、ことばでしゃべることができなくて。いつもねがっていました、きもちをことばでつたえることを。いしがあるのにきいてほしかった。はいがすべてできいてもらえなかった。きたかった、かかしに。のみたかった、おさけを。いしがあるのにきいてもらえなかった。すてきななかまがいてしあわせです。つらかったけどきぼうがわいてきました。

 ここで、詩を作ったことはあるかと尋ねてみた。すると、あるという。さっそく、書いてもらった。

つらいときそらをみあげてみよう
そらはきっときいてくれる わたしのきもちを
ねがってみよう すみきったそらに
きっとそらは つらいきもちをきいてくれる
きぼうのそらにむかってさけんでみよう
しんぼうしてきたけどすくわれたよと
きいている そらはいつもわたしのこころを
きいている いつも わたしのねがいを
きいている いつも わたしのゆめを
きいている いつも わたしのほんとうのきもちを

 そして若干のコメントが続く。

ずっとむかしにつくった。しはきもちをずいぶんらくにしてくれる。
きもちをきいて、いいきもちにしてくれる。きもちをきいて、こころをくるしみからときはなってくれる。

 そしてさらにもう一篇の詩。

きたのそらからきた しろいまほうつかい
きたのくにからやってきて
きたのくにのきれいなゆきをふりつもらせる
きたのくにからきたまほうつかいは
きたのくにのきぼうをかなえるために
ゆきをふりつもらせる
きたのくにからふくかぜは
きたのくにのいのちをつたえてくる

 そこへ、お母さんがお迎えに来た。

おかあさんへ。しんじてください。みんなわたしのきもちです。しんじてください。しをつくっていたのはきもちをしずめるためです。きもちをしずかにするためです。しをつくっているときもちがおちつきます。しをつくっているといいきぶんになります。いつもありがとう
きもちをいつもきいてくれてかんしゃしています。いつもわるいとおもっています。いつもごめんなさい、せわばかりかけて。

 突然書かれた二篇の詩を前にして、おかあさんは、これらの言葉が、彼女の言葉にほかならないことを納得されたようだった。なぜなら、その時の彼女の瞳の真剣さと、私がまちがってもこんな詩を書けるはずがないからだった。
 また、新たな詩人が誕生した。

2008年12月5日 23時07分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 青年学級 |
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