ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2008年12月11日(木)
青年学級の合宿から ―その2―
 「あなにいた」という言葉を綴って私たちを驚かせたK.Tさんと1日目の夜、話を交わした。

わかってくれてうれしい。きぼうがでてきました。きぼうがわいてきました。ねがいはだれとでもできるようになることです。いつかはなせるひがくるとしんじていました。

 そして、次のような言葉が語られた。

かったばかりのさんだるをきずつけてしまったみたいでかなしかった。きっときれいなさんだるをかえるとおもってなかったけど、かえてうれしいきぶんです。

 すごい表現だねと驚きを伝えると、簡単な単語はしゃべれる彼は、「まだあるよー。」とにっこり笑いながら次の文章を綴った。

きっとかりれないてぶくろを、かりれたようなきぶんだよ。

 そして、女の子の話に及ぶ。

とかいのいいかみをしたこがすきです。きれいなおんなのこがすきです。にしだひかるがすきです。

 さらに重い話に。

ぬいぐるみのじんせいしかおくれないとおもってきたけど、いいじんせいになりそうです。いいこどもになれそうです。しんらいこそがたいせつです。ちいさいときやしょうがっこうのときは、きっとはなせるようになるとしんじていたけど、こうこうじだいにはあきらめていました。しんじられないきもちです、いまのじぶんが。りかいできてもしゃべることができない。

 そして、彼の美しい比喩表現や重い言葉に、「詩を作ったことはありますか?」という問いを投げかけ、「今、書ける詩はありますか?」と問いを続けた。そして、次の長い詩が綴られた。

きたからふくかぜにきいてみよう
いまどこにしあわせはありますか
きたからふくかぜにきいてみよう
きれいなこころのひとはどこにいますか
しろいゆきみたいなきれいなこころはきたのくににあるのですか
きれいなきせつがたのしみです
きれいなきせつがまちどおしいです
いつかきれいなひとにであいたい
いつかきれいなきせつとぎんせかいでであいたい
きれいなきせつとすてきないのちをつたえたい
つよいきせつとなきむしのきせつとぎんせかいでであいたい
ねがいのすてきないのちをつたえたい
いのちもちがいがあるようにきれいなきせつもちがっている
ひとのいのちもちがっている
きたからふくかぜにきいてみよう
きたからふくかぜにきいてみよう
しんじていればかならずきもちはつたわりますか
しんじていればかならずきもちはさびしくないですか
いつもいつもきたかぜにしんじたい
きぼうのきたかぜに くなんのじかんは きたかぜに みらいへのきぼうとして
げきのように びたち(美たち?)のようにかえてもらおう
にしからふくかぜと 
ひがしからふくかぜと
みなみからふくかぜにも きいてみよう 
しんじていればきぼうはかないますかと
きぼうはかぜにのってやってきますかと
ときどききぼうのかぜがみえなくてきもちがしずんでしまうけど 
きぼうのかぜはきっときたからまたきっとふくだろう
みたこともないきたからのかぜをきぼうとともにきたいして
きぼうとともにゆめみていよう
いつかきっと いつかきっと。

 そして、詩を作っている時の気持ちが次のように書かれた。

しをつくっているときもちがはれる、きもちがきれいになる、いいきもちになる。
 
 合宿の夜のお菓子と飲み物をはさんだ交流会の場で、お菓子を時折食べながら、過ぎていったひとときのできごとだった。

  

2008年12月11日 07時30分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 青年学級 |
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