ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2008年12月21日(日)
自閉と呼ばれる二人の男性と
 自閉と呼ばれる二人の男性とワープロに挑戦した。一人は、スライドスイッチで、もう一人はプッシュスイッチで。ともに、自由に行動できる方だが、これまで、パソコンでは、主に、音楽がなるソフトを中心に関わってきた。その彼らに、ワープロに挑戦したのは、先月、東田直樹さんの講演会を聞いたことも大きかった。前から、よく言葉を理解していると思われるお二人だったから、可能性は十分にあると思われたのだ。
 まず、○○さん。スライドスイッチを介助して書いてもらった。

なぜわかったの ぼくがことばがわかっていることが
ねがってきた ことばではなしをすることを
ちいさいころからきもちがつたえたかった
いいきぶんです きもちがいえて
(先月、○○さんのことを昔の彼に似ていると言っていた実習生の女性がいたけど、ずっと寄り添ってあげていましたね。覚えてますか。)
おぼえています きもちのやさしいひとでした つよくいきてほしいとおもってそばにいました よいこでした 
きもちしんじてくれてありがとう
にんげんだからいいたいことがいいたいとおもう
しんじてください とてもくやしい
ちいさいころからいいたかったいいたいことがいっぱいあったけどなかなかいえなかった
きもちをことばでいえたらいいとおもってきた
(こんなこと聞いて悪いけど、どうしてつばを服にはいたりするのですか。)
つばはきもちをおちつかせるためです
またやりたいです
きもちがつたえたかったけどつたえられなかった
にんげんだからはなしたかった
きもちをつたえたい
ふしぎですどうしてわかったの ぼくがことばがわかっていることが
うれしいです
ことしもありがとうございました らいねんもよろしく

 次は、▽▽さん。プッシュスイッチを一緒に押しながら、選択の場所で、ふっと力を押しつけてくるという方法で書いてもらった。途中で、妻が交代して、できた文章だ。

ちいさいときからはなしたかった
きもちをことばでいいたかった
くやしかった
ふしぎことばがかってにすらすらでてきます
ねがっていました じぶんのきもちいえるようになることを
すいっちがほしい かいたい
ひまなときやりたい
いいすいっちですね
たのしかった
(○○さんも書いたんだよ。)よかったね
すばらしい
りかいをありがとう

 私にとっては未知の領域に足を踏み入れた感じだ。いつもは、すぐに立ち上がって行ってしまうのに、ずっと、パソコンに向かい続けたお二人だった。
 お二人の、ふだんには見られない、心のそこからの笑顔が印象的だった。
 

2008年12月21日 01時04分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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