「ちいきでくらしていきたい」
○○さんは、知的障害の特別支援学校の高等部3年に在籍している。ワープロで気持ちを綴れるようなって今回が3度目だ。学校からの巣立ちを目前にして、「ちいきでくらしていく」ということを繰り返し語った。
いいきもちです
ちいさいころからはなしたかったけどなかなかいえなかった
きいてくれてありがとう
さみしかった
にんげんだからはなしがしたかった
ちいさいころからはなしたかった
ちいきでくらしていくためにゆめをなくさずにいきたい
ねがいはにんげんとしてみんなとなかよくしていくことです
ちいきでいきていくことができるようにみんなとなかよくしたい
ちゃんとしたかんがえをもってひとりぐらしをしたいです
ちいきでみんなとくらしたい
ちいきでにんげんとしていきていきたいです
ききたいこといっぱいあります
なぜひとりでくらすことはむずかしいのですかおしえてください
できるとおもいます
しんじてください
ちいきでいきていくことがゆめです
しんじてください
ちいきでくらしていきたいです
ちいきでくらしたい
みんなとくらしたい
ひとりでくらしたい
にんげんとしていきていきたい
じゆう
だいじょうぶです
ほんとうです
ちいさいときからはなしたかった
願いの強さが、繰り返しの中に、にじみ出ているようだ。そんな彼女の気持ちが、高ぶっているところで、話を切りかえるように、詩を作っていませんかと聞いた。そして、書かれたのが次の詩だった。
ちいさなみがおちて はながさいた
ちいさなはなは ちいさなみをつけた
ちいさなみは ちいさなわたしのゆめ
たまのようなひかりがさして
にんげんを にんげんとしてみとめてくれた
ゆめのようですふしぎです
にんげんとしてみとめられてうれしいです
ちいさいころからのゆめでした
詩を書き始めると、彼女の顔は、輝きを増した。小柄であどけなさが前面に出ている彼女が、そのときは、もう、りっぱな女性の顔をしていた。
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2009年1月17日 22時24分
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自主G多摩1 |
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