ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2009年01月17日(土)
「ちいきでくらしていきたい」
 ○○さんは、知的障害の特別支援学校の高等部3年に在籍している。ワープロで気持ちを綴れるようなって今回が3度目だ。学校からの巣立ちを目前にして、「ちいきでくらしていく」ということを繰り返し語った。

いいきもちです
ちいさいころからはなしたかったけどなかなかいえなかった
きいてくれてありがとう
さみしかった
にんげんだからはなしがしたかった
ちいさいころからはなしたかった
ちいきでくらしていくためにゆめをなくさずにいきたい
ねがいはにんげんとしてみんなとなかよくしていくことです
ちいきでいきていくことができるようにみんなとなかよくしたい
ちゃんとしたかんがえをもってひとりぐらしをしたいです
ちいきでみんなとくらしたい
ちいきでにんげんとしていきていきたいです
ききたいこといっぱいあります
なぜひとりでくらすことはむずかしいのですかおしえてください
できるとおもいます
しんじてください
ちいきでいきていくことがゆめです
しんじてください
ちいきでくらしていきたいです
ちいきでくらしたい
みんなとくらしたい
ひとりでくらしたい
にんげんとしていきていきたい
じゆう
だいじょうぶです
ほんとうです
ちいさいときからはなしたかった

 願いの強さが、繰り返しの中に、にじみ出ているようだ。そんな彼女の気持ちが、高ぶっているところで、話を切りかえるように、詩を作っていませんかと聞いた。そして、書かれたのが次の詩だった。

ちいさなみがおちて はながさいた
ちいさなはなは ちいさなみをつけた
ちいさなみは ちいさなわたしのゆめ
たまのようなひかりがさして
にんげんを にんげんとしてみとめてくれた

ゆめのようですふしぎです
にんげんとしてみとめられてうれしいです
ちいさいころからのゆめでした

 詩を書き始めると、彼女の顔は、輝きを増した。小柄であどけなさが前面に出ている彼女が、そのときは、もう、りっぱな女性の顔をしていた。

2009年1月17日 22時24分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 自主G多摩1 |
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