ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2009年01月21日(水)
自分とは何かを考えて生きていきたい
 ある先生から、パソコンで話せる可能性があるので関わってほしいと言われた20代半ばの女性が、こんな文章を綴った。

○○(名前)
きもちがいえてうれしい
しんじられない
にんたいしてきました
ふしぎかんがえただけでことばができていきます
ふしぎですしんじられません
ちいさいときからはなしたかった
きもちをいいたかったです
おかあさんかんしゃしています
かんしゃしていますがつたえられませんでした
(率直なお母さんは、「本当かしら」といいながら、「元旦どこ行った?」と尋ねられた。すると…)
ちかくのじんじゃにいきました
(「神社は二日だったけど…」とお母さん。)
いいたいことはねがいをしたということです
ちいさいときからきまっておしょうがつにはじんじゃにいってねがいごとをし

ていました
ひいきにしているじんじゃはしんぐうじんじゃです
(「うちは、ずっと明治神宮に行ってるけど…しんぐうってそのことかしら」とお母さんがおっしゃるので、私が「そうなの」と尋ねると、)
はい
(さらに私が「『神の宮』だから『しんぐう』なんですか」と尋ねると、)
はい
(この辺でお母さんも彼女が書いているらしいことを納得し始めてくださった。)
ちいさいときからはなしたかったです
ちいさいときからはなしたかったけどあきらめていました
ちいさいときみんなのことがうらやましかったです
きもちがいえてうれしいです
(ここでお母さんは、毎年家族で行くスキーについて、どう思っているかと問いかけられた。)
すきーはきたかぜがつめたいけどしろいせかいがすてきです
みたこともないようなけしきがちいさいころからすきでした
ちいさいときからちいさくゆめをつむいできたのでしろいせかいがだいす

きです
きぼうがわいてきました
しばたせんせいはどうしてわたしがことばがわかっているとおもったので

すか
(「おとうさんにもひとこと書いて」とお母さん。)
おとうさんさいきんからだがつかれているようだからきをつけてくださいね
けんこうにきをつけてながいきをしてください
たいせつなおとうさんだからじぶんのからだをさいこうのじょうたいにしてく

ださい
こんどちいさいころにみられなかったしんかいのかんこうにいきたいです

はい
ちいさいときにはのれなかったふねにものってみたい
(グアム島に行ったときのことらしい。)
ちいさいときはじぶんであるけたけどあるけなくなってじぶんのいきたい

ところにはいけなくなってしまってとてもざんねんです
にんげんとしていきていかなければとおもうのでみらいをしんじていきて

いきたいとおもいます
ひかりがさしてきました
きぼうがわいてきました
にんげんとしていきていきたいとおもいます
(弟や妹にもひとことと母。)
(妹に)かあさんにあまりしんぱいをかけないようにしてください
(弟に)×××はたいへんかんがえがしっかりしているのでちゃんとしたしごとについてじぶんのためだけでなくたにんのためのしごとをしてください
ちいさいころからかんかえていました
すばらしいです
きもちがいえてうれしいです
きもちがいいたかった
ねがっていました
ちいさいときからいいたかったです
かんどうしています
きもちかいえていいきぶんです
じぶんとはなにかをかんがえていきていきたいとおもいます
にんげんだからきぼうをたいせつにいきていきたいとおもいます
ねがいをかなえられてうれしいです
このすいっちがほしいです
しばたせんせいくださいますか
しばたせんせいよろしくおねがいします
さようなら

 自分とは何かを考えて生きていきたいという言葉には、ただただ、圧倒されるばかりだった。

2009年1月21日 00時55分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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