ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2009年02月12日(木)
とおいくにのかなしみをあいしながら…
 高校2年生の☆☆さんは、まず、こんな悩みから始まった。

なやんでいることがあります 
ちいさいものですがきになっています 
じぶんでくらしていくためにはどんなふうにすればいいのでしょうか 
ちいさいときはりょうしんといっしょがいいとおもってきましたが
だんだんせいちょうするにつれて
じぶんひとりでいきていきたいとおもうようになってきました 
くらしていくにはどうすればいいのでしょうか
 
 この問いを受けて、まず、「重度の身体障害があって一人暮らしをしている人の

ことをテレビで見たり実際に会ったりしたことはありますか。」と問いかけた。その答え

は、

しっています あったことがあります 

 とのこと。そこで、今、やっている介助は、通訳だと考えることができるということと、

もし、いろいろな人が手をとって「ア行、カ行…」と聞いていく方法で簡単に気持ち

をきけるようになったら、そういう人と同じ立場に立てるのではないかということを伝え

、今はまだ、理解者が少なくてむずかしいけれど、必ず世の中は変わるだろうし、そ

のときは、一人暮らしも可能になるのではないかと語りかけた。すると、

きいてよかった きぼうがわいてきました 
いそぐつもりはありませんがいつかじつげんしたらうれしいです 
にんげんとしていきていきたいとおもいますが なかなかひとりでいいたいことがいえ

ないのでこまっています 
いのっています いつも
ぎんせかいのようにすてきなせかいがくることを 

 と答えが返ってきた。前の時も詩を書いてくれた☆☆さんならではの、美しい表

現だった。そこで、詩を書いてくれますかと聞くと、

きいてほしいですがしんじてもらえないのはかなしいです

 という答えが返ってきた。とてもすばらしい詩だったのだが、必ずしも、みんなに喜

んでもらったというわけではないようだった。それでも、いろいろと語りかけると、

きいてください

 と改めて述べて、次の詩を綴った。


いつもわたしはきいている
ちいさいときずっとくるしんでいたころに
がいこくのきれいなうたをきいて
こころがやすらいだときのうしなわれたこえを

ちいさいころにきいていたがいこくのうたは
かなしいいのりにみちていた
みたこともないとおいくにのかなしみをあいしながら
やさしいねがいをいつもみつづけていた
きっといつかねがいがかない
きれいなこころでちいさいころをおもいだせるひがくることを

いつもいのっていた 
きれいなこころをうしなわないことを
いつもきぼうがくなんにみちたじんせいをかえてくれることを
いつもねがってきた
じぶんのきもちがいえるようになることを
いつもゆめみていた
にんげんとしてきもちがそんちょうされるひがくることを

いしをもったにんげんだから
きいてもらいたい じぶんのきもち
きいてもらいたい くやしいきもち

いいかぜがふいてきて 
わたしのねがいがとつぜんかなった
いいかぜがふいてきて 
わたしのだいじなゆめがかなえられた

かこのくなんはかこのものとして
いいかぜをかんじながら
いいじんせいをいきていきたい

きのうのかなしみはあしたというひのきぼうにかえて
いいいちにちをきょうもいきられたことにかんしゃしながら
いいねがいをたいせつにして
きぼうにみちたじんせいをいきていこう


 再び胸を深くうつ詩だった。

2009年2月12日 01時18分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 自主G23区3 |
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