にんげんのすなおさがねがい
盲学校の高等部の女性の言葉を、パソコンと手を振る方法とで聞いているが、今回は、お母さんも見えた。なんと、携帯についたテレビ電話の機能で、学習中の様子を、彼女を大切にしている親戚の方のもとへ実況中継してくださった。その中で、彼女は次のような言葉を綴る。冒頭は、前回と同じ言葉だった。
しばたしわしわ
ゆめ ゆめ
ねがい ねがい
にんげん にんげん
きぼう きぼう
すばらしい
にんげんのすなおさがねがい
ちいさいときからきもちがつたえたかった
ねがってきました
かあさんいつもありがとう
きいてくれてありがとう
いいじぶん
言葉を二つ並べることから生まれるリズムは、まるで、音楽のように彼女を包み込み、彼女の心の中に豊かな世界を生み出しているようだった。
盲学校の重複学級に在籍する彼女は、2年前、この学校の高等部に入学してきたのだが、当初は、ずいぶんと心を閉ざしているように見えた。その彼女の心の世界を、担任の先生方は、彼女の存在を心から尊重しながら根気よく解きほぐしてきた。学習の内容も、いつか点字をさわるところまで到達している。まだ、彼女が読めているのかどうか、定かではないところがあるものの、点字を触る彼女の顔は、誇りに満ちあふれている。こうした言語表現も、そんな先生方の関わり合いの土台の上に花開いたものにほかならない。
携帯で実況中継を続けるお母さんも、心から娘さんの成長を喜んでおられた。
新年度もまた、最高学年になった彼女といろいろな言葉を交わしあえたらと思う。
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2009年3月15日 22時43分
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