ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

»くわしく見る
2009年03月26日(木)
くばられたさだめのじかんはひとりひとりちがっているけれど…
 4月から小3になる○○君の詩。途中、何度も何度も手を休め、中空を見つめるようにしながら、言葉を吟味しつつ、言葉を選びとっていった。

いいじかんがじきにすぎていき
すなおなちかいを
じぶんのためのじかんにしようとしてねがった
いいじかんにしようとおもい
ねいろのいいすてきながっきとうたごえに
みみをすませているうちに
いいじかんがふたたびながれはじめた
きびしすぎるからだのぼくだけど
しあわせはきっとくるだろう
ちいさいときからひとりぼっちのぼくだけど
しあわせはきっとえいこうのひかりとともにくるだろう
ちいさいときからひとりぼっちだけど
あしたはきっとにびいろのそらのむこうに
あおくひろがっているだろう
くばられたさだめのじかんは
ひとりひとりちがっているけれど
きっとしあわせはくるだろう
ちいさいときからいいたいこともいえず
くやしかったけど
きっといつかきぼうはやってくるだろう
きになるみがずっとはなからまちつずけたように
ぼくもずっとまちつずけよう
じぶんのはなをさかせ
じぶんのみをつけるときを。

 途中で、叫びのような声をあげた場所がある。一つは「きびしすぎるからだのぼく」という表現を選び取る直前で、目からは大粒の涙をこぼした。またもう一つは、「くばられたさだめのじかん」の直前。この時は晴れやかな表情で、大きな声を出した。
 手を振って尋ねる方法で、その声の意味を尋ねると、それぞれ「くやしい」「すてきなことばがみつかったから」との答え。ただし、「(手を振る方法ではなく)じぶんのこえではなしたい」という言葉も続いた。彼の願いと痛みが伝わってくるやりとりだった。


2009年3月26日 00時43分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 家庭訪問 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/yshibata1958/trackback/200/
コメントを記入  
お名前(必須)
 
パスワード:
 
メール:
 
URL:
 
非公開:  クッキーに保存: 
※非公開にチェックを入れると、管理者のみにコメントが届きます。
ブログの画面には表示されません。
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク