ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2009年03月31日(火)
りんごの歌と仕事のこと
 
 ☆☆さんからの「りんごの歌」という言葉が、思わず、こんな詩につながった。「りんご」というものが、願いにつながっているとは、非常に驚くイメージだったが、ともに、そのイメージを共有しているようだった。
 そして、☆☆さんが帰ったあと、1年下の◇◇君が早めにやってきて部屋のコーナーに座っていた。すると、次のような言葉を◇◇君に向かって投げかけた。

◇◇くんさぎょうじょはどうですか
ぼくははたらくことがゆめでしたから ねがいがかなってうれしいです
ちいさいときからはたらくのがゆめでした
ちかくのさぎょうじょですね
わになっていっしょにがんばりましょう
しあわせなせかいになってほしいです

 この言葉は、私たちにとってはとても新鮮だった。思うように作業を行うことができない中、学校で行われてきた作業の勉強をどうとらえているのかということも明らかになり、そういえば、作業学習では、できることを懸命にがんばっていたことが合点がいった。
 そして、このことをずっと聞いていた◇◇君は、次のように書いた。

きいてくれてありがとう
ぼくもはたらくのがゆめでした
ちいさいときからねがいでした
はたらくことがゆめにみていました
むりだとおもってきました
むずかしいです はなすのは
ひとりなやんできました
ふしぎです むりかとおもってきました
はなしがしたかった
りかいしてくれてかんげきしています
ちいさいときからのゆめでした
でくのぼうとよばれてきもちがかなしかったです
つらくかなしいくもをはらすことができました

 はたらくことをめぐる思いをきちんと考え直す必要があること思ったことと、「でくのぼう」と呼ばれたりすることのかなしさは胸につきささる。「つらくかなしいくもをはらすことができました」という一文は、学校時代の先生が援助を代わって書いたものだ。彼にとって私以外の人でも、うまくいった初めての言葉だった。
 そして、小学生の△△君がやってきた。彼には、まず、○○君のりんごの詩を聞いてもらった。そして、綴った言葉。

きぼうのひとのきもちをきいていいきもちになりました
ふかいいみがあるとおもいます
ふかいことばだとおもいました
りんごのことは ぼくもかんがえたことがあります
りんごは きぼうのうたをかなでてくれます
ふかいいみとゆめがいっぱいあります
ふしぎなかじつです
くだもののなかでは きぼうのきもちがいちばんいっぱいこもったくだものです
むずかしいいみのこもったしでした
きもちがよくつたわってきました
きもちがりかいできました
にんげんにはひんせいがひつようです
いいりそうをかかげていくことがたいせつです
にんげんとしていきていきたいとかんがえているので 
いつもふかいいみをだいじにとおしえられて 
いつもじぶんでめをちゃんとあけていきていこうとかんがえています
ねがいのとおりにいいにんげんになりたいとおもいます
ねがいはにんげんとしていつもいきがいをかんじながら 
いいじんせいをいきていくことです
ちいさいころからきもちをつたえたかったので 
じぶんのきもちがいえることがげんじつになったので うれしいです
ひとにゆめをあたえられるようなじんせいがおくりたいです
きいてくれる すなおなぼくのきもちを

じぶんのきもちがつよくしてくれるとおもってきたので 
みじかいきゅうなじんせいよりも
なだらかな ながいじんせいをいきていきたい
じぶんのじんせいだから 
ずっとりかいできるつらさは 
すぐにぞうぶんのくすりとして いきていこう
ばやときをかんけいなく 
ちきゅうじょうのすべてのいきとしいけるものが 
しあわせになることをいのるとしても 
きびしいいきかたにまけることなく
いきていきたいとおもう
だいじなことはいっぱいあるけど 
つねにゆめをいっぱいりんごのようにもちつずけて
いきたいとおもう。

 りんごと仕事をキーワードにして、4人の間で言葉のリレーが行われた一日だった。 


2009年3月31日 07時20分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 自主G埼玉2 |
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