ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2009年04月26日(日)
にんげんだからあいしたい
 女子中学生の○○さんは、将来の自立生活への夢を語った。

きいてほしいことがあります よくわからないことですが みらいのことです ひとりでくらしていけるかなやんでいます ゆうきがないとむずかしいのでしょうか ゆめのようですがひとりぐらしをしてみたいです ゆうきがほしいです みをだれかにゆだねるのはこわいですが わたしのことをりかいしてくれるひととせいかつできたらいいなとおもいます いいじかんをすごせたらとおもいますがむずかしいのでしょうか にんげんだからじゆうがひつようです 

 現状では、彼女のような人が自立生活をすることは容易ではない。しかし、おそらく、コミュニケーションの方法がもっと広がれば、それも可能なのではないか。そんなことを思い描きながら、話をうかがった。
 そして、最近の文字選択の援助のスピードアップについて質問が来たので、反対にあなたは何をしているのでしょうと問い返した。以下はそのやりとりである。

ふしぎですちからをいれていないのにどうしてわかるのですか ここだとおもっています ちいさいときからのねがいでした ゆめでした はやくはなせてうれしいです にんげんとしていきてきてほこりをとりもどしたようなきもちです 

 言葉を話すことができなくても、人間としての誇りが尊重される社会を作ることが本当は目指されなければならないが、現状は、それとは、ほど遠いのだろう。それは別にして、目の前で、誇りを取り戻した喜びを感じている人に向かい合えているということが、非常に厳かな事実だった。
 そして、そういう思いにふさわしい詩が綴られた。

にんげんだからあいしたい ひとを
にんげんだからあいしたい ゆめを
にんげんだからあいしたい なやみを
にんげんだからあいしたい ふあんを
にんげんだからあいしたい みんなを
にんげんだからあいしたい じぶんじしんを
ちいさならくえんでひっそりとくらしていくよりも
きぼうとねがいにあふれるせかいをわたしはこのむ
ちいさいときからちいさいねがいをこころにいだき
にんげんとしていきていくことをつよくねがってきた
にんげんとしてのとうぜんのけんりをみとめてもらえず
わたしはちんもくのなかをいきてきた
みずからのかのうせいだけをしんじて
まるでひのあたらないばしょでたえながら
みんなのゆめはなんですか
きくこともかなわず
ちいさなみみをすませながら
ずっとめだたないばしょで
りそうだけをだいじにしながら



2009年4月26日 07時56分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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