ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2009年04月30日(木)
わたしはみどりのかぜになる
 新年度になり、6年生になった○○さんは、こんな書き出しから始まった。

ちいさいゆめがかないりかいしてもらえました ゆめでした
じぶんのきもちをきいてもらえるようになりました

 そして、長い文章で理解される喜びを具体的に語りその先生の名前を書いたあと、

りそうのせんせいです わたしがそうぞうでつくりました

 という文章がそれまでのすべてを覆すように書かれた。以前このことで、激しく感情を高ぶらせて訴えてきたことのある彼女は、今回は、さっと、次の言葉に移っていった。

しをつくりましたきいてください

 そして、書かれた詩。

にんげんとしてうまれいきてきて
りそうをたいせつにいきてきて
ゆめをたくさんつむいできて
ほんとうのべんきょうをもとめながら
べんきょうのれんしゅうもできず
りかいされないことにもなれて
ひとりぼっちでいきてきた
みらいはもっとひらけていることを
ちいさいゆめとしてねがい
みらいのりそうとゆめを
ひろがるそらのように
ほんとうのねがいとして
ねがいみたこともないようなりそうを
らんぷのようにともしながらいきていこう
わたしのかのうせいがひらかれるひをめざして。

 この後、私は、歌を作ったことはないかと尋ねた。すると「ある」という。そして、次の歌詞とが綴られた。

ねがいのはながひらいたら
わたしはそらにまいあがる
ねがいのはながひらいたら
ゆめをおおきくひろげよう
みどりのかぜがふいてきて
みどりのゆめがちいさくそだち
わたしはみどりのかぜになる。

 そして、さらに、音符について知っているかと尋ねると、

しっています しぶんおんぷ とかはちぶんおんぷとか にぶんおんぷなどがあります

 そして、階名で書けるかと尋ねると、

かけます 

 とのこと、区切りには「ー」を入れてもらって、書いたものは、

ドレミソララドシラドレド
ドレミソララドシラドレド
ラシドレドレドミファドレド
シドミソドシラソドレドシド
ミドミラソソミファミレドレ
ドレミラソソドファミレドレ
ドレミラソソドシラシシド
シドレミミファドシラシシド

いいきょくでしょう わたしがいつもくちずさんでいるうたです 
 
 始まりは8分音符であることを示す8というのも書いたので、そのまま楽譜にしてみた。若干、言葉の数とあわないところを調整して楽譜にしてみると次のような歌になった。

 子どもたちの秘められた世界の奥行きがさらにいっそう広がっていくのを感じる。


2009年4月30日 19時01分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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