ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2009年06月10日(水)
兄が作った物語と、弟が作った詩と歌
 兄が物語を作り、弟は詩を作っている兄弟のもとを訪れた。手を使っていろいろ話したあと、兄がさっそく物語を聞かせてくれた。

 にぶくいやなおとがして ききみみをたててきいていたきつねは ごめんなさいとあやまった
 きいていたみせのしゅじんは こらっとおおきなこえをだして じっとずるがしこいきつねをとらえようとすると みずのいっぱいたまったぼこぼこのばけつを しずかにしずかにおとをたてないようにとりあげると ねらいをさだめてなげつけた
 ちいさなひめいがれいきをひきさいておこり にんげんがそこにたおれていた みしらぬひとがたおれていたので じかんがわからなくなったてんしゅは みたことはみたけれどじしんがなくして ちいさなきつねはふしぎなわいんになってしまいました
 ずっとちいさなきぼうをすてないようにいきていき なんといいかおをしているのかとずっといろいろかんがえていました
 きつねがいなくなったあとにんげんがたちあがって りかいできないようなずっとさいごまできこえるおおきなこえでいいました
 きついからだできょうまでいきてきたけれど これでおわかれですといいました
 いいうたがきこえてからぬいぐるみのじぶんしかみていなかったことをふどうのことばとしていきますといいました
 のぞめばかなうとわかりちいさいみがなればいいとさとりました
 きつねのすがたはかりのすがたです
 ちいさいときにきつねにかえられただけです
 ゆめをみていただけかとかんじたけれど ほんとうのことだったのだとおどろきましたといいました

 きつねつきみたいでしょう おもしろいかどうかしんぱいです

 不思議な物語だが、この物語にこめられた彼の思いは、わかるような気がする。
 そして、弟はまず、詩を綴った。

ちいさいねがいが ちいさくひらき
やさしいすがたの やさしいゆめが
ねがいのはなを ひらかせた
なやみをわすれない よくみるとべつべつのはなびらでできたみずべのはなが
むかしのおもいでをなくさないようにとさきほこっている
においのいいはながさき
るりいろのはねをしたとりが
ねがいのびんかんなろうそくがともったけうなそらをとびかい
ゆめにみたされたぼくのように
ときをこえてかぜによばれながら
ぬいぐるみのじんせいにわかたれをつげて
みたこともないそとのせかいにたびだとう

 そして、歌を作っていないかと尋ねたところ、次の詩を綴り、その後、メロディーを聴き取らせてもらった。

 ゆめをしずかにそだてたい
 ゆめをしずかにそだてよう
 ゆめがしずかにそだったら
 ゆめをしずかにわかちあい
 ゆめのゆうきをわたしはもらう
 ゆめのゆうきをしっかりもって
 ゆめのわたしのわたしをすすむ
 ゆめのわたしがすすむみち
 ゆめのだいちをかけめぐる

 兄は高校生、弟は中学生。もっともっと彼らのこんな姿を、まわりの人たちに知ってもらえたらと思う。



 
 




2009年6月10日 01時00分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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