ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2009年08月16日(日)
未来を語るグループと その1 小4の少女のあふれる思い
 最近、精力的に活動しているグループがある。構成メンバーは、小4の女の子、中2の女の子、3月に高等部を卒業した男性、そして32歳の男性が中心メンバーだ。そのグループでは、コミュニケーションの手段として、援助による筆談を用いており、大きな成果を上げている。指で手のひらに書く方法で、相当なスピードで、会話が可能となっている。
 私は、私の2スイッチワープロやあかさたなと手を振る方法でコミュニケーションをするのだが、みんな、方法をたくみに使い分けて豊かにコミュニケーションをしている。今回は、中1の女の子がお休みだったので、3人の方々と関わった。
 この日は、実は、2日後に、自閉症の作家として有名な高校生を招くという企画を控えており、やりとりは、そのことをどこかで意識したものとなった。
 最初は、小4の女の子。家族のことを話した後、次のような思いを語った。

 未来が開けてきました。夢が実現しそうです。見たこともないような景色が開けてきました。未来が私にも美しくひろがってきました。自分の道は自分で開かなければいけないと思うけど、未来は理想的なものとなってほしいです。私の希望は人間として理解されて生きていくことですが、なかなかむずかしそうです。勇気がほしいです。勇気がほしいです。勇気をもらいたいです。理解してほしいです。みんなに私たちのことを。人間として生きようとしていることを。自分たちの声をみんなに届けたいです。人間として認めてもらいたいです。きっと話ができると期待しています。未来が開けそうです。

 ここで、歌について尋ねてみた。すると作っているという。そして、次の歌詞を書いた。 

気持ちを聞いてください
私の人間としての思いを
自分一人で生きてきて
一人で夢を紡いで生きてきた
光はいつも遠くを照らし
私のとこには届かなかった
人間として生きたいと毎日願い
光を求めて生きてきた
みんなと話がしたいと何年も願いながら
望みを捨てずに生きてきた
そんな私が願いをかなえ
夢がかなって言葉を持った
希望と勇気が湧いてきた
自分の言葉で気持ちを伝えたい
願いをみんなに伝えたい


 途中、何か困ったような発声が続く、いったん中断してそのわけを手で尋ねてみると、言葉があふれて止まらなくなり収拾がつかなくなったらしい。
そんなこともあるんだと思いながら、とりあえず、書ききってもらった。その後、彼女が、メロディのさわりを聞かせてくれた。

ドシラドドシラソラソド
ドシラソドシラソラソソソドシシド
 

後は、筆談がとても速いお母さんが聞き取ってくれることになった。
 彼女は、この後、2スイッチワープロで英語にも挑戦。

 BOOK PAUSE
 I HAVE A HOPE


と綴った。どこで覚えたのと聞くと、「英語であそぼう」がいちばん役に立ったそうで、海外旅行にでかけた際も、けっこう英語が理解できていたという。
 可能性は限りなく広がっていく。


2009年8月16日 00時15分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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