光道園その5 2つの歌 「願いの季節」「苦しみを越えて」
光道園にもう長く入所していて、途中困難な時期を経験してきたTさんの気持ちを聞き取った。Tさんもまた、例にもれず、詩も作っていた。
願いがかなってうれしい。夢みたいです。くやしいことがありました。感情的になってしまいます。夢みたいです。よいやり方です。私の気持ちを聞いてくれる人が現れるとは思いませんでした。夢みたいでした。私の気持ちを聞いてくれる、私の言葉を聞いてほしい。夢みたいです。気持ちを聞いてほしいです。作っています。はい。夢みたいです。夢みたいです。
きれいな声で歌ってほしい
きれいな声で夢をけりをつけて
夢を勇気に変えながら
いい私になるために
私の私らしさを夢に見ながら
夢を私にくれるよい私になるために
私らしさを苦労して
よい私らしさを苦労して
苦しみを越えて
私らしさをめざし
私らしさをめざし
理想の国をめざし
私らしさを作っていこう
よい私をめざして
ころころ笑いながら生きていこう
夢みたいです。詩を作っていると気持ちが落ち着きます。嬉しいときや悲しい時に作っています。よい詩ですか。よい詩ですか。
願いの季節がよい私に訪れた
暗い季節が私には長く続いたけれど
暗い季節を忘れてしまおう
勇気を出して私の季節を
私らしく生きていこう
勇気を出して私の季節を私らしく生きていこう
勇気を私にくれる季節の風よ
未来の私を空いっぱいに
未来の私を空いっぱいに呼び出そう
喜びを空いっぱいに呼び出そう
瑠璃色の風を体ごと受けて
喜びを苦しみから解放して生きていこう
美しい季節よ
私に勇気をください
私の私らしさをこの美しい季節の中で喜びに変えて
この世界を生きていこう
夢みたいです。苦しいときには詩を作って気持ちを落ち着かせています。うれしいです。理解してもらえて。すてきなやり方ですね。うれしいです。
ここで、さらに歌を作っていないかと尋ねてみた。すると作っているという。そして、その歌の題は「願いの季節」。奇しくも、町田市の障がい者青年学級の私が所属するコースで、昨年度作った歌の題名とまったく同じ題名だ。そして、さらにもう1曲、聞かせてくれた。なお、メロディは、手を振りながら「ドレミファソラシド」と階名を言いながら読み取った。
願いの季節
願いの季節がまたやってきた
未来の私の季節がまたやってきた
暗い季節を吹き飛ばし
よりこびを空に呼び出そう
きれいな心になります。気持ちを言いたかったです。気持ちを言いたかったけど、なかなか言えませんでした。集中が必要です。素晴らしいです。うれしいです。夢みたいです。
苦しみを越えて
苦しみを越えていきましょう
苦しみを越えて未来をめざし
ゆんろんんん口ずさみ
ゆんろんんん口ずさみ
希望の国をめざしながら
希望の国を見つけよう
「ゆんろんんん」というハミングの音がとても印象的だ。そばで見守っておられた職員の方は、彼女と二人だけで歌を歌う時間を持っているという。これからは、その歌のレパートリーの中に、この二つの歌が加えられることになるだろう。
そして、最後にこういう言葉でお別れした。
苦しかったです。知り合えてうれしいです。もろもろの苦しみがこれで消えていきます。
|
2009年8月25日 22時21分
|
記事へ |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
|
他の地域 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/yshibata1958/trackback/264/