ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2010年04月17日(土)
Tさんからのメール 1月から4月
3月の終わりまでにTさんから届いたメールをためてしまった。最新のものを含めて、紹介したい。

 外へでかけたいよ。遠くに行ってみたい。変な道だけど前へむかってもりあがろう。苦しいときほどみんなでもりあがろう。好きな人といっしょに住みたい。ロケットに二人で乗って宇宙へ飛び出したい。愛する人と住みたい、二人で住みたい。(1月26日)
 
 手を伸ばしてほしい。言うのは大変。いのちつなぎたいけれど生きるのは大変。死んでしまうのはいやだ。少ない人生でも大切に生きたいと思う。私はみんなといっしょに仲間と暮らしたい。手が勝手に動いてつらい。力を弱められない。変な気持ち。(2月9日)

 車で外へでかけたいと思う。遠くまで友達と行きたい。手や足を使ってほかのところへ行ってみたい。足でも使って遠くへ行ってみたい。何とかして遠くへ行きたい。たおれてしまうかもしれないけれどもがんばって進んでいきたい。普通に暮らせるように歩いてゆきたい。(2月23日)

 夢はロケットに乗って遠くへ行くことだ。二人で探したい夢の子ども。まだ見たことのない夢を探しにいきたい。ろけっとに乗って探しにいきたい。すてきな星を見つけて願いをかなえたい。好きなすてきな人と一緒に星で住みたい。苦しいときにも二人で乗り越えていきたい。未来は遠いけれどあきらめずにがんばっていきたい。とてもむずかしいことだけどがんばっていきたい。(3月9日)

 伝えたいことは苦難の試練乗り越える大変さです。結婚できない事実を認めていくことはとてもできないことです。何とかして結婚して願いをかなえたいです。勝手に体が動いて、困ります。すぐに好きな人と遠くへ行きたい。好きなドラマみたいに遠くに行ってしあわせに暮らしたい。花のきれいなところに行きたいと思います。季節は変化して夏になって実のつくくだものがたくさんできます。木は大きくなって花はすてきな実をつけます。好きな外で遊びたいよ。秋になれば何もかもが赤く紅葉してすてきな景色になります。冬になると空気は冷たくなりみんな車に乗って暖かいところへ逃げていきたい気持ちになります。ぼくは一人になって次の春を待ちます。(3月23日)

 へぼな僕ですがのんびり生きてはいられません。のんびりとはしていられない理由は長くは親が生きているわけではないからです。何か新しいことを考えなければなりません。おそかれはやかれ親からはなれて暮らさなければなりません。そのためにはたぶん一人で暮らす方法を考えなければなりません。友だちと手をとって共同で暮らしていきたい。何とかしてみんなで生きていきたい。まつださんもいっしょに暮らしていこう。もっといっぱいの仲間を集めよう。苦しみをン堀越えるために集まろう。友だちに伝えたいことはもっと願いを持とうということです。(4月13日)

 自立への思いが語られるとともに、しだいにそのかたちの輪郭がくっきりとしてきたことが伝わってくる。残念ながら、まだ、その具体的な方策は見えてこないが、大切なことは、表現を綴ることだ。そして、表現する相手はきっと自分自身でもあるはずだ。 

2010年4月17日 08時45分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 青年学級 |
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