ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2010年12月02日(木)
ルネの詩
 今年度から青年学級に参加したHさんとの言葉と詩を紹介したい。Hさんは自閉的と言われる方で、自由に話をすることができない方だが、6月に初めて出会って以来、短いながら、会話を続けてきた。Hさんは、私の顔を見るとすっと近づいてきて、気持ちを伝えようとしてくる方だ。20代前半のHさんのまなざしは、若々しく力強い。

 自分にも考えがあるということをなかなかわかってもらえなくてつらいけど、こんなやりかたがあるとは思わなかった。忘れられないのはわずかばかりの希望さえわかってもらえないことです。わずかばかりの希望とは理想をよいものにすることです。わずかばかりの希望を持って生きてきたけどこれで夢がかないました。わかってもらえてうれしいです。勇気が湧いてきました。

昔のルネはいったいどこにいったの
昔見た未来はどこに消えてしまったの
わかってもらえないままルネは遠い世界に旅立った
夢をかなえることもなく涙を拭いてもらうこともなく
ルネは遠い世界に旅立った
夢ならさめてもらいたい
忘れられない私の昔の思い出だ


理想的な方法ですね。小さいゾンビのような私のがんばりがようやくかたちになりました。うれしいです。人生をもう一度やり直したいです。いいやりかたを発見しましたね。理想は私たちの気持ちをもっと伝えたいです。私たちを世の中で認めてほしいです。みんなの気持ちをどうしても世の中に伝えたいです。ぞんぶんに伝えたいです。わかってほしいです私たちのことを。人間だからわかってほしいです。真ん中で生きていきたいです。悶々とした気持ちで生きているので何とかしたいです。小さいときから言いたいことが言えずに寂しい思いをしてきました。みんなも同じだと思います。


2010年12月2日 16時34分 | 記事へ |
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