ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2008年07月07日(月)
青年学級7月6日のできごとその2
 活動の後、多くの仲間たちは、場所を「トマトハウス」という喫茶店に移して、お茶を飲んだり歌を歌ったりする。喫茶店はお休みだが、場所だけを借りているのだ。
 そこに、来ていたKさんにも、パソコンを出してみることにした。Kさんは、かつて、作文などもたくみに綴っていた方だが、進行性の障害のために、10年くらい前から、歩くことも、話すこともできなくなり、認識の面でも障害が進行したと考えられてきた方だ。お母さんをALSで亡くし、最近お父さんも亡くなられた。現在は町田市内の施設で暮らす。毎回、スタッフがボランティアで送迎をしてきた。
 最初に、すぐに綴った言葉。

これ かいたい
いくらするの

 横にいた送迎をした女性スタッフに対して

とてもていねいでかんしゃしています

 さらに気持ちが綴られていった。

じぶんでかけてうれしい
いままでつまらなかった
しゃべることができなくなって りかいしてもらえなくなってなきたいきもちでした
きもちがきんじられてこまっていました
おかあさんがなくなったときも おとうさんがなくなったときも はなしができなくて すさみ もらいなきさえできませんでした
せっかくことばがはなせるのだから しっかりいいたいことをいっていきたいです
ちいさいときからくよくよしてきたので ここでげんきなじぶんにうまれかわりたいです
でもなかなかうまくいかないかもしれないので ずっとおうえんしてください
それからよかったらこのすいっちをゆずってください
ゆめをみているようなきもちです
きもちをかけるとはおもいませんでした
げんじつではかんがえられませんでした
うきうきします
すてき
さけびだしたいきもちをおさえるのでせいいっぱいです

 さらに、文章は、あるすさまじさを帯びてくる。

ぬいぐるみのじんせいにおわかれです
しぬまでいまのままだとおもってきたから ぬいぐるみのじんせいにかわって となりのととろのようによろこびをかんじながらいきていきたいです
このぬいぐるみのじんせいは できないことがいっぱいですが もうおわかれです
けうなればこそ くなんのじんせいですが いきていくいみがあるとおもいます
とりかえしのつかないおもいがありますが ねらいどおりのこころでがんばりたいとおもいます
けっしてあきらめずに ねがいどおりのじんせいをいきていきたいとおもいます

 施設に戻る時間が近づいていた。そして、最後にこう書いた。

またやりたいです

 40歳を越えた彼女と、これから、失われた時間を取り戻しながら、関わりを続けていかなければと思う。

2008年7月7日 08時30分 | 記事へ | コメント(1) | トラックバック(0) |
| 青年学級 |
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そうだったのですね。いたらなさ、きづかなさにショックです。その場に居合わせたかった。次回を楽しみにしています。
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