1年以上お会いしていなかった☆☆さんに5月21日にお会いした。彼女は今年二十歳になった。3月下旬に成人のお祝いの会をしますとのご案内が妻に届いていたが、大震災で延期になっていた。しかし、少しずつ世の中が落ち着きを取り戻してきたこともあり、翌日のの日曜日に会は開かれることとなっていた。そんな日に、彼女が綴ったのは、次の1編の詩だった。
春の東北路
春が今年はとても悲しい
わずかな希望に満たされた春を
今、私はひとり
こうしてただ涙と小さな小さな望みだけをいだいて
さいはての国に届くように
静かな祈りをささげる
遠い遠いさいはての国には
悲しみを癒す希望の呼び声が住んでいる
人間は何も知らないけれど
自らをとてもいつくしむことができるだろう
東北路は今年はどんな春を迎えたのだろう
みんな悲しみに言葉をなくしていることだろう
みんな家族や友達をなくし
茫然と春を迎えていることだろう
なぜ津波はあんなにも残酷な仕打ちを人間にしたのだろう
東北路に誰も知らないよい知らせがさいはての国から届けられた
それは桜のはなびらに書かれた秘密の言葉だ
決して希望は捨てないようにという呪文
それを受け取った東北の人はわかったはずだ
そして人々は立ち上がった
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