ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2011年08月02日(火)
東日本大震災に思う 6月19日
 青年学級でEさんは、この日は特に気持ちを落ち着かせることができなかった。その理由は本人にもはっきりわかっているのだが、どうにもならなかったようだ。そんな一日の活動のあと、学級でパソコンを開くとその落ち着けなかった自分の思いをぶつけるように深い集中をして言葉を紡ぎ出した。内容は、地震のことだった。

 地震さえなかったならみんな亡くならなかったのにとても悲しいです。なぜあんなにたくさんよい人たちが亡くなったのかわからなくてとても困りましたがおかあさんを見ているとなんとなくわかってきたことは被災地の人も何とか立ち上がろうとしていることです。なかなかわかってもらえないのはぼくたちと同じだと思うので人ごととは思えませんでした。まさかのんびり過ごしていたのに被害にあうとは思わなかった人たちが大津波に巻き込まれるとは夢にも思わなかったと思うと本当につらいです。なかなか復興が本格的に始まらないのがつらいですが理想を大切にこの困難に立ち向かってほしいです。勇気の見えなくなりそうな世の中が続いていますがよい時代が来ることが僕の願いです。みんなも同じ気持ちだということがわかそよでわかってよかったです。僕も津波の詩を作りました。

津波よ僕はわからない
わざわざ子どもを飲み込んで
わざわざ望みを打ち砕いて
おまえは何を望んだのか
ろうそくの火はもうどこにも見えないが
私たちは負けない
また私たちは立ち上がる
おまえが私たちの理想をすべて打ち砕くまで
だが私たちの理想は消して砕けることはない
私たちの理想は永遠に不滅だ


 Eさんのお母さんはふだんから関わっているNPOの関係で何度か被災地を訪れている。そんなことを背景にして綴られた言葉と詩である。
 この詩は、お母さんによって被災地にも届けられた。ご覧になった被災地の方々はとても好意的に受け取ってくださったとのことだった。
inihon daisinn

2011年8月2日 13時04分 | 記事へ |
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