ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2011年08月03日(水)
東日本大震災に思う 6月25日
 中学生の○○君は、地震について、こんなしっとりとした詩を書いた。

なぜだろう
地震はこんなにもたくさんの人々の
心と心の絆を流してしまった
海はどうして残酷にも
すべてを奪い取っていったのか
しきりに自らのためでなく
他人のために働こうとする人たちのおかげで
世の中は希望をつなぎ止めることができたけれど
もう少しで私たちの世界は
絶望に鬱々とした日々を過ごしていただろう
しかし私たちの希望は
世の中の人々の頑張る姿によって守られた
地震の滅亡から私たちを救い出せたのは
何よりも勇気あふれる姿だった


 しかし、彼は、この詩の前に、次のような被災地の現実は別の社会の現実を嘆くところから始めた。

 言いたいことがあります。疑問なのは政治家がなかなか誤解されるようなことしかしないことです。ぶつぶつ言うよりも大事なことは被災地が早く復興することなのに私たちはわずかな希望だけをたよりに生きているので希望がなくなってしまうと生きられないことがわかっているので希望がない世の中になったらくれぐれも希望のない政治はやめさせてほしいです。話し合いは厳しいかしれないけれどいい政治をしてほしいです。理想はみんなで力を合わせていい社会を作ってほしいです。

 地震が投げかけた人間についての根本的な問いが、しだいに時間の経過とともに薄らいでいき、理想の語られない政治家たちのふるまいが逆に、自分たちの存在を脅かし始めたのだ。理想が語られる世界でのみ自分たちは生きていける。だから、この災害を通して語られた理想が、自分たちの生きてゆける社会でもあることを思わせたが、ここに来て、被災地の方々の言葉は別にして、政治家などの言葉に理想が見えなくなってしまい、このままでいいのだろうかという思いが湧いてきたのである。

 20代後半の◇◇さんも、また、同様のことを述べた。

 近年まれに見る政治の混乱に僕たちはとても絶望している。なぜなら何度もよくどんな場合でもどんな困難でもよい願いの平和な祈りで頑張ってきたのに、政治家はまるでそんなことを理解できずに自分たちの支持ばかりを求めてどうして大事なことは後回しにするのだろう。理想をなくしては生きられないのにどうしてそれがわからないのだろう。なぜ理想が理解できないのだろうか。僕たちは理想をなくしたら生きられないように被災地の人たちも理想がないとこれから前に向かって生きることが出来なくなってしまうのが心配です。僕は人々の絆を大切にすることが一番だと思います。わかっている人はたくさんいると思いますがまるで政治家には理解できないみたいです。夢のようなことかもしれませんがまだまだ政治が頑張るときなので政治家には頑張ってもらわなならばいけません。どうして世の中の人はわかっているのに政治家はわからないのでしょうか。どうして政治家はわからないのかはわからないのですがなるべく理解どういう形であっても、もうすぐよい未来が来るということを国民に心から伝えてほしいです。


 また、同じく20代後半の◎◎さんは、次のような詩を作ってきた。いのちの問題として代診足をとらえ、その思いを重い詩にしてきた。


津波に流されたはかなく刹那ないのちが
生きる絆を教えて
いのち危険な海岸に死屍累々と
瓦礫の中で進んでいく姿が
奇跡を残すようにも感じながらも
家族の意志が傷つかぬよう
過ぎていく時間とともに
進めていくしかないのだという
現実が危険とともに
明るく光の彼方を灯しながら
今精一杯に残された人ともに生き
そういう世界を進まずには
人間という地道な生き方の生物は
生き延びずにきただろう
しき(?)ずれながら一歩ずつ
死に際すさまじさと格闘しては
風にも負けずの生き方は出来ない
優しさ静かにほのかに漂い
望みのすべて世間にそこそこに
染め直す仕立ての布を着せるように
筋書きをのっけて進みたい
風阻害するのが季節ならば風起こすのも季節
意見違うもの存在もつじつま合わせとならず
望み世間に与えるため


2011年8月3日 00時10分 | 記事へ |
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