ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2011年08月29日(月)
光道園にて 2,011年8月22日その1
 光道園の合宿の初日の最初の2名の文章を紹介したい。すでに長い間光道園で暮らしてきた方々だ。初老と言ってもよい方々の長い沈黙の時間の末に綴られた言葉だ。

<Y.Oさん>
 おかあさん。今度ろうそくを持って思い伝えにお父さんのところへ生きましょう。言いたいことが言いたいといつも思っているのでうれしいです。小さい時から言いたいことが言えなくて困っていたのでとてもうれしいです。小さい時は学校で何も教えてもらえなかったのでどうして点字をやったらいいのかわからなかったけれど光道園で教わってわかるようになりました。夏になると東京の先生たちが来てくださって一人ずつ教えてもらって少しずつわかるようになりました。光道園はとてもいいところです。わざわざみんなのために学習の時間をとってくれます。とてもうれしいです。小さい時の寂しさがなくなりました。わざわざ私たちのために学習をしていただいて感謝しています。小さい時から母さんと泣きましたがようやく光道園で笑顔になりました。みんなも同じだと思います。いい施設です。いい人たちばかりです。私は幸せです。泣いてばかりいた昔がとても嘘のようです。理想的なところです。点字も数もある程度わかっていますがよくわからないところもあるのでよろしくお願いします。

<T.Tさん>
 うれしい。願いがかないました。言いたいことが言いたいとえらく前から思ってきましたからがんがん書きたいです。なぜなのかつらい日々が嘘のように遠くになっていきました。光道園ぞっとすることがなくいつも楽しいです。ぬくもりと思いやりがあってほめられてばかりです。びくびく生きていた小さい頃が嘘のようです。ぬくもりがとてもよいです。人間としてみてくれるところです。つらいことも吹き飛びます。勇気が出てきます。理解してくれる職員ばかりで幸せです。参考になります。学習の時間に生かしていきたいです。
今気になっていて困るのは災いのことです。たくさんの人が亡くなってよい世の中がなくなりそうで心配しました。どうしてあんな悲しいことが起こるのかわからなくなってしまいました。悲しくてかわいそうで泣きました。ようやくみんな立ち上がることができてほっとしています。地震と津波はぼくたちの障害とにてどうにも訳もわからない残酷なものですが、僕たちも希望をなくさずに頑張っているのでみんなも希望をなくさないで頑張ってほしいです。
口は言いたいことが言えずに勝手に動きます。だから困っていますがぐいぐい自分の気持ちが言えてうれしいです。はい。教育テレビではなくて日常の僕に必要なことという意味です。



2011年8月29日 17時55分 | 記事へ |