大学の授業に、自閉症の作家東田直樹さんを招いた。授業は、2,3年生を対象とした授業だったので、今年高校を卒業した直樹さんより一つないし二つ年上の学生が受講者だった。そして、きんこんの会からは、4人のメンバーが参加し、町田の青年学級から自閉症と呼ばれるEさんも参加した。パワーポイントであらかじめ準備した原稿を、自分で読み上げながら、東田さんは、堂々と講義を行った。そして、いったん彼の講義が区切りがついたところで、まず、きんこんの会のメンバーやEさんとの質疑応答がなされ、その後、学生たちの意見を聞いていった。学生たちも懸命に彼の講義を聴き、精一杯彼に問いかけた。
この日、参加者の中に、小説と映画「ぼくはうみがみたくなりました」の原作者山下久仁明さんもいらっしゃった。自らの息子さんをモデルにした作品だが、残念ながら、息子さんは中3の最後の春休みに電車事故で亡くなっていた。山下さんのコメントは、息子さんの気持ちを聞いてみたかったという深い言葉だった。
授業の後、部屋を移して懇談の場を持った。障害は違うけれども、コミュニケーションに困難を持ち、援助によって初めてコミュニケーションが可能になった者どうしとして、新しい絆が生まれた会となった。
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