2008年の夏から町田の青年学級にパソコンを持ち込んで3年半が経過した。その間、いろいろな人が2スイッチワープロに挑戦してきたが、残念ながら、これが修得できたのは、とびたつ会の松田さんと、若い担当者の2人に限られていた。なかなか活動の中で純粋な練習の時間というのもとれず、伝えきれないまま時だけが経過していた。
そんな中、山之内さんが、先日のきんこんの会で、青年学級にも参加しているSさんの筆談に挑戦して何とか読みとることができた。Sさんは、なかなか体に力が入らずふわふわとした動きになってしまう特徴のある方だが、Sさんの指を持って関わり手の手のひらの上に文字を書いてもらうと、小さい動きの中に文字が読み取れるのである。私は、2スイッチワープロか、手を振りながら「あかさたな」という方法しかなかなかむずかしく、Sさんの筆談には成功していないのだが、山之内さんが、活動後の喫茶店で、Sさんに練習台になっていもらい、若いスタッフに伝えたところ、たちどころに3名ほどのスタッフが字を読みとることができたのである。ようやく長いトンネルを抜けたという思いがした。複数のスタッフが通訳になって会話がはずむということが、夢ではなくなりそうだ。
次の文章は、この日の活動の中で山之内さんといろいろ筆談で話せたHさんの感想である。山之内さんと若いスタッフがSさんと練習をしている横で私がパソコンで聞き取ったものだ。Hさんは、自閉症と呼ばれていて、字の読み書きはできるのだが、気持が表現できない方である。
字を書くのは簡単ですが気持はなかなか言えないになぜか手をそえられると気持が書けます。たぶん字を書くのにもそうとうなエネルギーを使っているからだと思います。スイッチのほうが楽なのですがそれは触られるのが抵抗があるからですが慣れると思います。たぶんだまっているとつらいので話したいと思いますので慣れると思います。ばらばらな体と心を何とかしたいのでよろしくおねがいします。なぜ山之内さんは字の方法ができるようになったのですか。わかりましたよかったですね。誰でもできるやりかたがいいのでよろしくおねがいします。そうです、抜群な感じがしたからです。やっと広がってきましたね。どうにかして広めたいです。はいありがとうございました。
ところで、活動では、私のコースでは、岩手県のある施設にメッセージを送ろうということで、東日本大震災に関連した歌を3曲録音したところだった。「津波」「ランプのあかり」がオリジナルの歌、それに、無謀なことながら、アジアンカンフージェネレーションの震災に関連した歌「ひかり」をみんなで歌い、それをビデオカメラで撮影したのである。こちらは、また改めて紹介したいが、夜、居酒屋では、この筆談と歌のことで、大変もりあがった。
大きな大きな一歩を踏み出した一日だった。
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