4月から社会人になった○○さんが、こんな力強く、また、悲しみのこもる詩を書いた。
私たちの夜明け
小さい未来にわずかな希望
私たちはそれだけを頼りに生きてきた
わたしたちはランプの光が今にも消えてしまいそうな暗闇を生きている
みんなで手を取り合ってこの暗闇を越えていこう
僕よりももっと声の出せない仲間も
僕よりももっと体の動かない仲間も
みんな僕と同じように言葉を持ち考えている
望みはようやく暗闇の向こうに夜明けが見えていることだ
わずかに白む夜明けの兆しだけが僕には希望だ
私たちの仲間の中には手が離れてしまって見えなくなってしまった仲間も少なくない
もうすぐ明けるこの暗闇の先に見える
じんじんとするような夜明けの世界にたどり着くまで
けっして手を離さずにみんなでともに歩んでいこう
私たちの仲間は誰一人なくさずに夜明けに向かっていくことが
今こそ僕に課せられた使命だ
なぜなら僕には動く身体も動く手もあるからだ
僕が先にたどり着かなければ仲間はなかなかたどり着けないだろう
だから僕は先頭に立って仲間の手を決して離さずに夜明けに向かって歩んで行く
だから見えなくなった仲間もどうか遠い世界から僕を見守っていてほしい
僕の勇気を育ててほしい
勇気さえあれば何とか前に行けそうだから
「手が離れて見えなくなってしまった」という表現があまりにも悲しい。だが、夜明けが近いことをまた○○さんは感じ取ってくれている。朝は、待っていればやってくるが、ここで歌われた夜明けは、挑みかかるようにして闇をはぎとっていかなければ決して明けない夜明けだ。夜は、絶対に明けさせなければならない。
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