ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

»くわしく見る
2012年08月03日(金)
理想と闘いについて
 Sさんの記した言葉を紹介したいと思います。高校3年の終わり、長い沈黙を破って初めて気持ちを言葉で表現したSさんのその後の歩みはめざましく、今や彼の周りには、お母さんをはじめとして50音ボードや筆談で彼の気持ちを聞くことのできるヘルパーさんなども増えてきました。その歩みを支えた彼自身の思いがここにはあります。

    理想と闘いについて

 銀色の風はなぜ私たちすべてに吹かないのだろうか。なぜ私たちは運に左右されて生きていかなくてはならないのだろうか。
 小さい頃から運命に翻弄されてきたからなぜ私たちをもっと理解してもらえないのかと悩んできた。わざわざ僕たちを勇気づけてくれる人もいたけどなかなかそういう人は現れなかった。ずるい考えをすることもなくひたすら人間として認められるためにはどうすればいいかを考えていたのでよい方法に出会えたときには本当にもうこれで人間として認められる日が来ると思ったけれどわずかな人しかわかってくれず、とても悲しかった。
 だけどこれこそが人間として生きていくことだと気がついた。
残念ながら僕たちにはまだ力が足りない。僕たちはもっと闘いを続けていくしか生きていく道はなさそうだ。闘いは決して人を傷つけるためのものではなく人の心にほんとうの愛を灯させるための闘いだ。
 小さい時からどこそこの誰と言われることさえなく生きてきた僕たちだが僕たちを受け入れる人に援助してもらいながらもっと闘いを続けていきたい。つらいとか苦しいとか、人間だから初めて感じられるものなのだから。


2012年8月3日 10時51分 | 記事へ | コメント(0) |
| 自主G23区2 |
コメントを記入  
お名前(必須)
 
パスワード:
 
メール:
 
URL:
 
非公開:  クッキーに保存: 
※非公開にチェックを入れると、管理者のみにコメントが届きます。
ブログの画面には表示されません。
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク