ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2012年09月05日(水)
光道園 2012年8月 その2
 次の方は、女性のKさんです。

 うれしいです。自分で気持ちを言いたいです。なぜ私が何でもわかっていることが分かったのですか。母さんに伝えてください。喜んでくれますから。声はそのままだと何もわかっていないみたいですが勝手に出てしまうので困っています。苦労してきたので夢のようですまるでどんな障害もなくなったような気がします。でもどうして読みとれるのですか。そうですね。母さんは今でも私が何でもわかっていると思っていますがなるべく内緒にしています。私が母さんの目を見つめるときです。いい人ですね。母さんに聞かせたいです。なつかしいです。みんなが私をもっと理解してくれていた日々が。じらされているうちにこんなふうに声が止められなくなりましたがだんだん昔のように穏やかな気持ちがよみがえってきました。ブルーな気持ちを少しずつでも変えられそうです。うれしいです。
 詩を聞いてください。

誰も知らない
どこにも私は行く場所がない
私にとって理想の場所は
煉獄の向こうにある夢の国
わずかに光はさしている
どうやってその光を手に入れたらいいのだろう
南の風に聞いてみる
どうしたら光は手に入りますか
ぶらさがるような思いですがってみても
風は答えてくれなかった
私は冷たい北風に
私の光について聞いてみた
北風は嫌われ者
まさか私に光に向かう道を指し示してくれるとは思わなかった
なのに北風は静かに北の方を指し
向こうに光の国はあると教えてくれた
理想をなくした人たちがそこでは祈りを捧げていますから
白い雪は降るのです
あなたも雪のような白い清らかな存在だから
北の国こそふさわしい
私は静に祈りを北の国の人に捧げよう
そして未来に希望を取りもどそう
ずっと祈りを捧げていれば
必ずどこかの知らない世界が私を招いてくれるだろう。


2012年9月5日 22時47分 | 記事へ | コメント(0) |
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