「つらいことはなんですか」
夏休みの一日、ふだんの個別的な関わり合いの枠を外して、地域のセンターの小さな会議室を借り、数名の子どもたちが集まった。このグループでこうしたひとときを作るのは、かつては、親同士の交流の意味が大きかったが、今年は、子どもたちもともに語り合おうということを事前に伝えてあった。とはいえ、パソコンをそれぞれの子どもの前に並べて、私たちが子どもの援助を代わる代わるにしながらの、語り合いである。
中学生のA君は、この試みについて、まず次のように感想を述べた。
A:いつもとちがってこどもどうしではなせるのがたのしみですりかいしてもらえてうれしいです
そして、高校生のBさんが、みんなに聞きたいことと言って、口火を切った。
B:せっかくのきかいだからそれぞれのきもちをききたいです。きいてみたいことはつらいことはなんですかということです。
初めての語り合いの機会に、いちばん聞いてみたい気持ちが「つらいこと」であるということは、非常に重い現実をつきつられる気がするが、その気持ちは痛いほどにわかる。
そして、この問いかけに対して、さっきのA君と高校生のCさん、D君から答えが返ってきた。
A:くるしいのはべんきょうがしてもらえないことです がっこうじだいしかほんとうのべんきょうはできないのにざんねんです
C:つらいのはさようならをいいたくないともだちとわかれなければならないことです
D:つらいの なやむときは ちいさいときからさみしかった ことばでいいたくてもいえなかった
短い言葉の中に、おそらくみんなに共通の思いがそれぞれの言葉で綴られている。もっともっと勉強がしたいこと、突然のつらい友だちとの別れのこと(この日は、3年半前に亡くなったお子さんの母親もひさしぶりに見えていた。)、長い間、言葉で表現できる力をもっていることを理解されずに寂しく過ごしてきたこと…。少しずつだが、仲間と共有していくことで、新しい世界が開かれて行けばと思う。
このグループで3人以上で会話が成立したのは初めてのことだ。もっともっとこうしたやりとりが成立できる条件をいかに増やしていくか、これからの大きな課題でもある。
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2008年8月21日 22時42分
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自主G多摩1 |
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