ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2008年05月18日(日)
ある兄弟の家庭訪問から
 3ヶ月ぶりの家庭訪問で、お二人の兄弟にお会いした。お父さんの転勤で北陸から出てきて1年になる。お二人には数年前から福井での合宿でお会いした経緯からの訪問だった。
 二人とも援助があったら2スイッチワープロで文字を綴ることができるのだが、ゆっくりと長い文章を書いてもらったのはこちらに来られてからのことである。
 2月の時は、弟の方に既有の知識を尋ねる意味で、次のような算数の問題も解いてもらった。
45÷5=9 
0.4÷0.1=4
0.2×0.3=0.06 
である。予想以上に学習は進んでいた。しかし、こうしたことが理解できる子どもだとは誰にも思われてはいない。
 今日の文章は以下の通りだった。
 まず最初に書いた弟の方から。
 
てがうまくつかえないのがくやしい
(今日持参したスイッチに対して)せっかくつくってくれたけどべつのすいっちがいい。
こせるか(こなせるか?)どうかしんぱいです
きもちだけがさきばしってしまってなかなかうまくふつうどおりにいきません。
てがうまくつかえたらとおもうけどせいいっぱいがんばってもすいっちがずっとできなくてくやしくおもう
おかあさんがあまりくよくよしないからすくわれます。ぼくはくつうですがねがいがかなえられたらいいとおもいます。
とてもぼくのことをたいせつにそだててくれてかんしゃしています。
(中略)
ねがいはみんなときもちをつうじあわせることです
ゆめはけっこんすることです
ふたりでささえあっていきていきたいとおもいます
きれいなじょせいでなくてもやさしいひとがいいです
むずかしいかもしれないけどがんばりたいとおもいます
 
 次は兄さんの文章。

にんげんとして いきて いきて いきたいとおもっています
けっこんしたいとおもっています。
けっこんしてみたいひとは やさしいひとです。
ねがっている すばらしいじょせいがあらわれることを。
おかあさんいつもありがとう くろうばかりかけて
といれをするときも いつもついていてくれて
たいへんなのに ふしぎです
せいいっぱいやっていても
ふまんひとついったことがない
おなじことのくりかえしで たいへん
いそがしく ひとりでがんばっている
ほんとうに えらいとおもう


 二人とも現在中学生。これから大人に向かう二人の、母親への思いと、結婚へのほのかなあこがれの思いが綴られていた。

2008年5月18日 23時17分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 家庭訪問 |
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