4年生の少年の夢
土曜日に会った小学4年生の少年の気持ちを紹介したい。
といかけにこたえることができるようになりたい
ぼくのきもちにときどきそわないことをされてこつづいにしみることがあります(いえでおかあさんがいっていた)
()は、「こつづい」という言葉に私が驚いて、どうやってそんな言葉を知ったのか書いてほしいと頼んだものだ。気持ちがうまく伝えられない悔しさがこつづい(骨髄)という言葉にこめられている。
つきをねらっていますがそれだけではうまくつたわりません
けっかでちゃんとこたえられればいいのですがなかなかうまくいきません
私たちは、こちらの問いかけによるコミュニケーションの場合、相手は私たちが想定していることに大きくしばられる。私たちの推測が当たらない限り気持ちは伝わらない。そのあたりの思いが「つきをねらって」という言葉として表現されているのだろう。
その後、お母さんが、学校ではうまく成功するトイレがどうして家ではダメなのかと彼に質問したところ、
すべりやすいからです
くらいのもいやです
えきのといれもきらいです くらいから
と明確な答えが返ってきた。こんな日常生活の一つ一つにコミュニケーションは密接にからんでいるということだ。
その後、彼は、
ひとりでやりたい
と書いて、実際に何文字か挑戦した。少しずつならば選べそうで、今後の可能性を感じた。そして、次のような文章へと続いていった。
たくさんいいたいことがありますのでうちでもできるようになりたい
くやしいことがありました
となりのにいさんのことばでしんたいしょうがいしゃみたいといわれました
いえのことです
ぼくにむかってです
けんこうなこどもになりたいとおもうけどなかなかうまくいきません
むずかしいけどがんばりたい
ねがいはけっこんすることです
いいひとがみつかればいいなとおもうけどむずかしいかもしれないけどがんばりたいいいひとがみつかるまでまちつずけたい
ねがいがかなうようにがんばりたい
うつくしいひとでなくてもやさしいひとがいい
ことばでしゃべれなくてもきもちがつたわればいい
つらい思いを述べた後、そこにとどまることなく、将来の夢へと話は舵をきっていった。小学4年生とはいえ、この夢は、現実とかけ離れた夢想ではない。現実を十分すぎるほどに見すえた夢である。彼が二十歳を迎えるのは10年後。時代が彼にとってもっと暮らしやすいように大きく変わっていることを望むばかりだ。
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2008年10月11日 00時55分
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