ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2008年10月12日(日)
きっとそんなひとがあらわれるとしんじています
 高校生の☆☆さんの文章は直前の大人たちの話題を受けて始まった。この会のメンバーの女性の○○先生のご主人が、☆☆さんのお母さんと同じ町の出身で、家も年代もそんなに離れていないということの話だった。

えんがあるのですねしらなかったです。すごいぐうぜんですね。○○せんせいのだんなさんとおかあさんがちかくにすんでいたそうでおどろきました。

 そして、そのまま話題は先生の結婚へ。以下は、先生との対話の中での彼女の言葉である。

せんせいたちはどこでしりあったのですか。おしえてください。がっこうのどうりょうだったのですね。どうしてけっこんしようとおもったのですか。きもちがつうじあっていたのですね。

 そして、そのまま、彼女の胸の奥底の思いへと発展していく。

けっこんもしてみたいです。うらやましくおもいます。けっこんできたらいいなとおもいますがなかなかむずかしいかもしれません。のぞみはまいにちいっしょうくらせるいいひとあえることです。けっこんできなくてもいいひとにはあいたいです。どうやればひとりぐらしができるのでしょうか。しりたいですわたしとおなじようなひとはどうやってくらしているのでしょうか。いちどみてみたいです。ねがいはどんなにまずしくてもじぶんのかんがえでじぶんのじんせいをきりひらいていきたいとおもいます。いちばんたいせつなことはつらくてもきぼうをすてないことです。でもりかいしてくれるひとがひつようなのでいつかそんなひとがあらわれるまでがんばりたいとおもいます。いいひとがあらわれたらけっこんしたいとおもいます。きっとそんなひとがあらわれるとしんじています。

 いっきに綴られた結婚や自立生活への思い。それが、そんなに簡単な道のりではないことは、誰よりも本人がわかっているはずだ。決して、現実から遊離した夢を語っているのではなく、現実を見据えた上で語っているのである。そして、「いちばんたいせつなことはつらくてもきぼうをすてないこと」だと改めて述べているのである。
 今は、まだ、彼女のこうした能力の存在を云々する段階であり、道は遠いが、手話通訳者のように、コミュニケーションの援助が当たり前に行われるようになった時、彼女は、自立生活を営む多くの障害者の仲間入りをすることができるはずである。
 最近は、学校でも、「移行支援」などという言葉とともに、将来を見通した指導や援助の重要性が語られるようになった。彼女のこうした思いも、本来はそうした中で受け止められていくはずのものだろう。
 自立への思いを強調したあと、彼女は最後に、こう付け加えた。

おかあさんにもかんしゃしています。おとうさんにもかんしゃしています。



2008年10月12日 12時13分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 自主G埼玉2 |
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