ニックネーム:柴田保之
性別:男
年齢:56歳
障害の重い子どもとの関わりあいと障害者青年学級のスタッフとしての活動を行っています。連絡先は yshibata@kokugakuin.ac.jp です。

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2009年01月28日(水)
ある特別支援学校にて
 都内のある肢体不自由の特別支援学校におじゃました。午前中の2時間、4人の高等部の生徒さんと関わらせていただくことができた。みんなそれぞれ、パソコンで文章を綴ることができたが、今回は、必ず、手をとって伝え合う方法を合わせて行った。やはり、わかりやすく、また、やりやすい方法は、手をとりあうものだろうと思ったからだ。スイッチのやり方はなかなかこつを伝えるのが大変だが、手を取り合う方法は、その場で何とか伝えることもできた。一人は、学校のパソコンにすでに私のソフトがインストールされていたので、文章はそちらのパソコンに残っているので、3人分だけ、紹介したい。

ありがとうございます
なぜことばがはなせるとわかったのですか
しんじられません
じぶんのほんとうのきもちをいいたかった
うれしいです
ついにねがいがかないました
ずっとはなしがしたかった
いつあえますか
ちかくにすんでいるのですか

きいてくれてありがとう 
(濁点をすぐ選べたことについて)みえた 
きもちがつたえたかった 
(字の勉強したいですかという担任の先生の問いに)しりたかった
(でも、書けるということは知っていたんですねと私が問いかけると)しっていたけどいえなかった
(好きな曲は何ですか)てがみです
(なぜですか)きれいなかしだからです

じぶんのことばではなしたかった
ねがっていましたきもちをことばでいえるようになることを
いいすいっちでつかいやすいです
ちいさいころからはなしたかったです
のぞんできました
ないてばかり
じのべんきょうがしたかったです
いいきもちです いいたいことがいえて
(字は)ちいさいころにかあさんがおしえてくれました
ねがいがかなってうれしいです
ちいさいころからのゆめでした
またきてください
ありがとうございます

 最後の生徒さんは、終わったとたん、泣き始めた。あわてて手をとて理由を尋ねると「うれしいからないた」とのこと。思わずこちらもぐっと胸にこみあげるものがあった。そして、こういう小さなひとつひとつのことが伝えあえれば、本当にいいなと思った瞬間だった。
 短い時間だったけれど、みんなこれまでの思いを、それぞれに語った。いい出会いをさせていただいた。
2009年1月28日 00時48分 | 記事へ | コメント(1) | トラックバック(0) |
| 学校 |
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手をつないで伝え合ったこと
 一日、ある学校におじゃました。ゆっくりと学校の雰囲気を味わわせていただくことを目的としていたので、パソコンやスイッチは、控え室において活動に参加した。歩くことのできるお子さんが中心の学校だが、なかに、肢体不自由のお子さんもいた。
 絵本が大好きな男の子に求められてとっかえひっかえずっと絵本を読んであげていると、となりに、ちょこんと小1の女の子がすわって、私と男の子のやりとりをずっと見つめている。男の子が行ってしまったあと、その子を膝に抱えて、手をとって「あかさたな」ととなえて気持ちをきいてみた。パソコンとちがって消えてしまうので、うろ覚えの記憶になってしまうが、いろいろなことを語った。

 うれしい 
 ちいさいころからはなしたかった 
 いいやりかたですね
 げんきなこどもがうらやましかった 
 かあさんにもつたえてください 
 またきてください

というような内容の言葉をたくさん語ってくれた。また、絵本をとっかえひっかえ読んでいるのをおもしろそうにみていたけど、どうしてと尋ねると、

 たくさんきれいなえをみることができるから

と返事がかえってきた。
 担任の先生も、ずっと見守っていてくださって、その学校のあたたかい雰囲気もあいまって、とても、穏やかで密度の濃い時間を味わわせていただくことができた。
 
2009年1月28日 00時36分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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